片田舎から哀をこめて

野山を駆け回る程の自然もなく、天を貫くようなビル群もない。中途半端な片田舎からお送りします

最後を喰らうモンスター(10/17アキバカルチャーズ劇場STARMARIE定期公演「ファンタジーショー」に参加してきた)

 STARMARIEを見るならその世界観をぎゅぎゅっと詰め込んだ秋葉原カルチャー劇場のマンスリー公演がオススメである、というのは結構前から聞いていた話だった。
 というか初めてSTARMARIEを見た5月時点で既にオススメされていたので、それから月一回開催されるこのライブを、僕は計5回みすみす見逃しているということである。なんたる失態。これではマリスト失格である。
 とはいえ実際僕のホームたる山形から秋葉原へ遠征するというのは相当な労力を要する。新幹線を使えば往復で二万円ちょい。ホテル代や食事代等の雑費を加えればその一回の遠征にかかる費用はもうえらいこっちゃえらいこっちゃよいよいよいである。
 社会人として多少の稼ぎはあるものの、僕の貯金残高を鑑みるに、やはり東京遠征は一ヶ月に一回か二回が限度。その貴重な一回を月一回という非常に短いスパンで繰り返し行われるこのライブに使うことにどうしても躊躇してしまっていたという訳である。
 が、しかしそれも今は昔の話。実はここ二、三ヶ月程僕はライブに足を運んでいないのである。つまり今日10/17のSTARMARIEマンスリー公演に焦点を絞って、引いて言えばそこから始まる個人的ライブ強化月間に向けて財布の紐を固く結んでいたのだ。
 という訳で今回の東京遠征は、


 STARMARIE定期公演「ファンタジーショー」
 R指定presentsメンヘラの集い
 の二本立てである。

 


 ではまず一本目。僕は今秋葉原カルチャー劇場の中にいる。秋葉原電気街のど真ん中に位置するこのライブハウスは文字通り秋葉原のカルチャーを体言するハコである。毎夜毎夜多種多様豪華絢爛才色兼備なアイドル達がステージを彩り、秋葉原アイドル文化を世界に発信せしめんと活動しているのである。
 「らしんばん秋葉原店」の地下一階に劇場はある。近くのアパホテルに宿を取っておきながらこの地下に通じる階段も見つけ出すまでかなり時間を要してしまった。アホス。
 19:00を回ったところで入場のアナウンスがかかった。なかなか良い番号をとれた僕は珍しく最前の位置にいる。


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画質荒いのでツイッターよりスクリーンの元画像


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 で、スクリーンに映し出されるこの文字。
 STARMARIEのマンスリー公演は通常のライブと少し違い、ライブによって一つの物語を作ることが特徴なのである。で、このスクリーンに映し出された文字はその物語のタイトルというわけだ。モンスターという単語に若干の既視感を覚えつつ開演まで待つこと十数分。19:35に照明が落とされた。


「ここでニュースです」
 物語はテレビがニュースを伝えるところから始まる。レストランで食事中の老夫婦が殺されるというものだった。犯人は同様のケースで殺人を繰り返しているらしい。
 そしてスクリーンに映されるナイフを持ったシルエット。


「最後を喰わせろ」


 と照明が落ちメンバーの五人が登場。一曲目は「スペルオブザブック」。本日の衣装は「FANTASY WORLDⅣ」のジャケ写と同じ衣装である。今日もダンスがキレキレである。
 二曲目は「悪魔、はじめます」。スピード感と掛け合いが気持ちいい、最新アルバム「FANTASY WORLDⅣ」のリード曲である。会場後方からの掛け声に熱が籠もるのが伝わる。
 二曲目が終わると暗転。五人がステージ脇へはけるとまたもやスクリーンに物語が映される。夫婦がテーブルを挟んで食事をしている光景である。


「もし、私が明日死ぬとしたら
 それを誰に伝えますか?
 僕に伝えますか?
 私に伝えますか?」


「今日もまた最後を迎える人たち
 後悔とは誰のもの?」


 そして明転。三曲目は「屋上から見える銀河君の見た見た景色」、そして四曲目の「Hey,my,sister」と続く。この二曲は「後悔」というテーマのくくりなのだろうか。
 そして暗転。スクリーンに現れるナイフを持った人影。
「腹が減った。人間のもっと不条理な最後を喰らいたい。もっともっと、最後を」


「ここでニュースです」
 
 そして明転。五曲目は「帝王の華麗なアリバイ」。個人的には生では初聞きの曲である。そして「余命124日のシンデレラ」。またもや初聞きである。パラパラのような動きがかわいい。
  そして暗転。またもやテーブルを挟んで食事する夫婦。今度は先程とは別の夫婦だろうか。


「ねえ、聞いて。明日ね、あたし死ぬんだ」
「あ、言っちゃった」
「え?」
「ほら後ろ」
 スピーカーから悲鳴。一瞬の暗闇。その闇がはれると夫婦の女性の方がいない。男性は血まみれ。


「別れは必ず来ると知っていたのに。それはまるで迷路のよう」


 そして明転。七曲目は「幻木町のガイコツ〜町長選挙編〜」今日一番の激しいダンスである。やはり最前で見ているだけあって迫力がすごい。
 八曲目は「ホシノテレカ」。激しくダークな曲調から一転して切なく、少し寂しい曲である。
 
 人間の最後はなぜうまいのか。
 さぁ、冷めないうちにめしあがれ


 アンコール前ラストは「三星レストラン・ポールからの招待状」。今回のストーリーとリンクした歌詞である。
 そしてメンバーがはけぬまま暗転。スクリーンにははじまりと同じくテレビが映される。
「ここでニュースです。またもやレストランで夫婦が殺されるという事件がありました。しかし今回殺されたのは若い夫婦であり、異例の…‥」
 と音声が途切れて終幕。
 明転して現れるメンバー。しばしのトークタイムと告知。なんと12月31日にカウントダウンライブを行うらしい。詳しくは公式サイトをチェック。そしてメンバーが降壇するとすぐさまアンコールが鳴り響く。主に後ろから。どうも声を出したり腕を降ったりしたい歴戦のマリストの方々は後方の立ち見エリアに寄っているようである。
 そして数分の後に現れる五人。今日来てくれたことに感謝を述べるなどし、最後に三ヶ月連続で発売されるシングルから「僕と少女霊媒師たち」、「ドントルッキンフォーミー」の二曲を披露。最後にメンバー一人一人からメッセージを一言ずつ述べ、今日のライブは終了となった。


まとめ
 最前列で見れたからというのもあるのだが、その世界観の濃さに圧倒されっぱなしのライブであった。
 ストーリーの解釈に関しては如何様にもとれるかと思うが、アンコール前ラストの「三星レストラン・ポールからの招待状」の歌詞をベースに猟奇的テイストを加えた物語のようである。ライブ全体の構成としては、ストーリーが語られながらその合間合間に挟まれるスタマリの歌が感情を掘り下げ、物語の闇の中へと深く誘われていくようでとてもよかった。
 冒頭述べたようにそう何度もこの「ファンタジーショー」には伺えないものの、機会があればまた是非参加したいものである。と感慨にふけりつつ筆を置く。


 11/10仙台公演楽しみにしてます。