片田舎から哀をこめて

野山を駆け回る程の自然もなく、天を貫くようなビル群もない。中途半端な片田舎からお送りします

しりとりえっせいそのろく オリエント工業

 SOD、フランス書院文庫オリエント工業。これら3つは、男女間における認知度格差の大きい企業〜女性の知らない会社編〜のトップスリーである。まあ僕が今適当に考えたものなのだが、男性読者諸氏から見てあまり異論のない選出ができたのではないだろうか。
 女性読者諸氏においては冒頭からなんのことやらチンプンカンプンといった塩梅だと思われるが、ここでネタバラシをすると先程挙げた3つの企業は、上からAVメーカー、官能小説出版社、ドール製造会社のそれぞれトップと思われる企業である。フランス書院文庫オリエント工業に関しては、知名度実績共にトップで間違いないと思われるが、AVメーカーに関しては、質や売上知名度等、一朝一夕に語り尽くせぬ基準があるので、一概にSODがトップAVメーカーであるとも言えないかもしれない。
 官能小説の老舗たるフランス書院文庫は男女問わずかなり有名かと思う。そしてオリエント工業もまた、ネットで日夜アンテナを張っている人間ならばその名を目にする機会もあるかもしれない。
 オリエント工業が何故ドール会社においてトップであるか。それはこの会社の製品たる「等身大女性人形」のクオリティが異常なまでに高いからである。画像検索をかけてもらえば分ると思うが、ちょっと見ただけでは人か人形か判別がつかない。またディスプレイからでは分からないが、触った感触というのもシリコン素材で人肌に限りなく近いそうで、関節の入った手足は自由に動かせ、様々なポーズを取らせることができるらしい。そして両足の間、腹下三寸辺りには”多目的”ホールが空いているそうである。
 会社の名前がそこそこ有名で、創業1977年から約40年、潰れずにいるということはやはり上記のドールを買う人間がいる、ということである。

 確かに僕だって買えるものであるなら買ってみたいと思うし、なんならある程度貯金を切り崩してもいいとさえ思うのだが、冷静に考えるとんなもん買ったところでどこ置くねんと考えてしまう。
 僕は最近一人暮らしをはじめたものの、この六畳間に僕以外の人間の出入が全くないというわけではない。この前は会社の同僚とたこ焼きパーティーをやったし、その前なんか両親が生存確認にやってきた。収納スペースと呼ぶべき押入れがあるものの、もし何かの拍子に開けられてしまったらと思うとやはり心配である。
 つまり等身大ドールを買う人間というのはそれを隠せるスペースを持つ程の自宅を持つ人間か、或いは自宅に人の出入が全く無い人間ということになるわけである。わざわざ人形を買って寂しさを紛らわせている人間となると、なんとなく後者の人間の方が圧倒的に多い気もするが、しかし得てしてそういう人間に限って金が無いような気もする。
 と、そんなことを考えていると驚くべき情報が飛び込んできた。なんと件の人形を”貸し出して”くれるサービスがあるのだという。
 残念ながらこの片田舎では営業を行っていないそうだが、都内のホテル等に電話一本で呼ぶことができるそうである。もちろん彼女らは自立歩行できるわけではないので、大の大人一人ないし二人が彼女らを”運んで”くるという寸法なのだろう。かなりシュールな光景になることが予想されるが、少しでも興味の湧いた方は是非お試しあれ。