片田舎から哀をこめて

野山を駆け回る程の自然もなく、天を貫くようなビル群もない。中途半端な片田舎からお送りします

劇的ちょい!ビフォーアフター


 人間が生きていく場合、そこではどうしたって生活というものをしなければならなくなる。当たり前のことなのだがこれは兎角嫌なものである。なにが嫌かって、生活をしていけばしていくほどに、そこには生活感というものが生まれてきてしまうのだ。いや当たり前だろう、と読者は今思っただろう。そのツッコミをする前にちょと待って頂きたい。
 諸君らは今仮に、自宅の自室で座って寛ぎながらこの記事を読んでいるとしよう。ちょっと辺りを見回してほしい。どこかにだらしのない生活感が見えていはしないだろうか。例えば足下。そこら辺にくしゃくしゃっと丸まった靴下やらTシャツやらの衣類が転がっていはしないだろうか。その下のカーペットはどうだ。買った当初はふかふかのモフモフだったそのカーペットは、つんつるてんのしなびたカーペットになっていはしまいか。あるいはちょっと目線を上げて机の上なんかはどうだ。その辺にペンやら消しゴムやらスマホの充電器やらが散乱してはいないだろうか。そこにある書類やら封筒やらを乱雑に詰め込んだレターケースはなんだ。生活感オブ生活感ではないか。
 と、以上が我が自室の現在の惨状である。我ながら酷いもんである。掃除するのは半年に一回。洗濯物は溜まりに溜まってから洗濯機へ放り込む。そもそも床が畳で壁が漆喰と障子の和室なのに、畳の上にカーペットを敷いて洋風の家具を置いている時点でもう生活感が漂い過ぎている。だがしかし、冒頭で述べたように人間が生活を営んでいく中で、生活感を漂わせてしまうのはどうしようもない事態である。生活感を限りなくゼロに近づけることはできるかもしれないが、人が生活を営み続ける限り完全なゼロにすることは不可能なのである。では我が生活の営みから生活感をなるだけ揮発させるにはどうすればよいか。
 場所を変えてやればいいのだ。すなわち僕がこの田中邸から独り立ちし、どこかのアパートなりマンションなりに入居し、限りなく生活感を揮発した生活を一から作り出してやればよいのだ。イメージとしてはこんな感じである。

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 このようにデザインとしてのインテリアで生活感を覆い隠し、且つ、生活の営みを送ることも可能。これこそ僕の目指す、限りなく生活感の揮発した生活なのである。
 幸いなことにアパートを借りて自立できるだけの金はある。それに会社まで車で片道30分の通勤が面倒に思っていたところだ。会社の近くに越すのに越したことはない。なんだか越すんだか越さないんだかよく分からない文章になってしまったがそれはさておき、そうと決まれば善は急げ。僕は早速部屋探しサイト「SUUMO」で部屋を探し始めた。

 というのが今から約一ヶ月前の話である。それから僕は職場にほど近い六畳1Kの物件を見つけると、不動産屋へ赴き、トントン拍子で入居日を決めてしまった。そしてその入居日というのが一昨日のことである。そう、僕は今引っ越し作業が粗方終わった新居でこれを書いているという訳だ。ちなみに上記のSUUMOで部屋を探し始めたくだりがGW中のことで、今これを書いているのが5月の28 日である。決断から実際に行うまで一ヶ月かからなかったというわけだ。我ながら見る前に飛べという自分の座右の銘に忠実過ぎる。しかし、この2日間、この座右の銘が仇となってしまった出来事が数え切れない程あった。今回はその様子を写真を織り交ぜつつダイジェストでお送りしたいと思う。

 

 引っ越し一日目

 

 引っ越し一日目、つまり5月26日まで話は遡る。本当はその何日か前まで遡って荷造りの様子をお伝えしようかとも思ったが、引っ越しの2日間をダイジェストで送ると言った手前、あまりダラダラとどうでもいい作業風景を描写していくのも面倒だし、そもそも紙幅も足りない。この時点でかなりの文量になってしまっているので今後そういったどうでもいい表現等は避けることとする。
 さて、夜勤明けの5月26日、朝9時頃に実家へ帰宅した僕だったが、その時点である問題が発生していた。
 父が風邪でぶっ倒れたのである。
 それの何が困るのか。確かに引っ越し作業というのは人員が不可欠になるものだ。父が倒れたことによってそれがー1になってしまうのは痛い。しかし、こと父に関してはー1どころではすまないのである。
 今回僕は所謂引っ越し業者というものを雇わなかった。そもそも生活感を揮発させるため荷物があまり多くないというのもあったし、何より父の所有車、ランドローバーのディフェンダーを当てにしていたのである。荷造りはまあ紆余曲折あったが既に済んでいたし、後はそいつをランドローバーにぶっこんで新居へGOで済む話だったのがそうもいかなくなってしまったという訳である。一応僕は普通免許は持っている。しかしあのバカでかい車を急に運転しろと言われても無理な話なのだ。そこで腹案として用意したのが先程言った僕の愛車ことハスラーGグレードである。こいつで何度か新居と実家を往復するという訳だ。

 

 てな訳で荷物をどんどん積み込んでいった。

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 ぎゅうぎゅうである。これで持って行く荷物全体の三分の一くらい。
 ちなみにトランクに積んであるのはこたつの天板部分なのだが、リアガラスがすっぽりと隠れてしまって、後方が全く見えない状況で運転することになった。今思えば警察に見つかった場合止められていたかもしれない。そんなちょっとした緊張を孕みつつ、僕は新居へと向かったのだった。

 

 新居へ

 

 新居は職場から程近い閑静な住宅街の一角にひっそりと佇む一件のアパート。その一階の角部屋が僕の新居である。周りは住宅街といえど少し歩くだけで、田舎におけるランドマーク、イオンを中心とした多種多様な店舗が混在している。本と映画の虫の僕的に、歩いていける距離にゲオ、図書館、ちょっと遠いが映画館があるのが大きい。その他の店については後述する。
 さて、アパートの駐車場に乗り付けた僕は早速家具を運び始めるのだが、その前にまっさらな状態の新居をパシャリ。

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 これで駐車場代込みで月3万5千円は安い。その安さもまた僕がここを選んだ理由の一つでもある。

 

 さて、今回新居に入るにあたって僕が事前に用意した家具は以下の通りだ。

 ラグマット
 こたつ
 テレビ
 テレビ台
 壁掛け時計
 ベッド

 恐らくこれだけあれば最低限度の生活を送ることはできるだろうと踏んだ。その他の家具についてはサイズ感、色合い等を考慮しつつ二日目に家具屋で購入予定である。
 では早速ラグマットとこたつを置くことにする。
 
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 ラグマットのふかふか具合が超気持ちいい。
 ちなみに今回用意したテレビとベッドは実家から持ってきたもので、その他家具については今回新たに購入したものだ。そしてそれらは全て白で統一されている。この色こそが今回の肝、すなわち生活感の揮発した生活を送るための最重要項目なのである。ラグマット、こたつ、テレビ台等の大きめの家具、そしてこのアパートの壁、これら空間の大部分を占めるものに関しては白で統一し、その他壁掛け時計や多種多様な小物等に関しては黒で統一する。そう、いわゆるモノトーンインテリアでコーディネートしてやるというわけだ。
 そしてこのイメージに近づく為の小物、壁掛け時計はこちらを用意した。


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 まあ少々値段は張るがそれに見合ったなかなか良いデザインの時計である。

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というわけでこちらを


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開封


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……茶色やん。

 確かに注文では黒だったはずなのだがどうにも手違いがあったらしい。これは返品することにして次に進もう。

 

 ベッド運搬

 

 実家でこれまで使っていた我が愛しのベッドは、高さ的には二段ベッドなものの、一段目が存在しておらず、そのスペースが丸々収納に使えるという優れ物である。骨組みの色はグレーとモノクロなインテリアにおいて悩みどころな、まさにグレーゾーンな配色だが、各種サイトを参考にし、多少のグレーぐれぇは大丈夫だという事実を確認。今回運搬するに至った。
 で、それを分解したはいいものの、一番長い骨組みで約180cm。ハスラーに入るか微妙なもんである。と危惧していたのだが、意外なことに後部座席と助手席を倒したらそのスペースに見事スッポリとハマってしまった。その他分解した骨組みも合わせて、まるで僕のハスラーが本来このベッドを運搬する為に作られたのではないかと思ってしまったほどである。
 んで本来ならその奇跡的な画像を載っけたいところなのだが
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 骨組みの鉄に自分の顔が反射して完全にこれ状態だったので画像は差し控える。

 

午後


 そんなこんなで新居でベッドの組立を終えたところで、読者諸兄はそろそろお気づきだろうか。
 そう、家電製品が今のところテレビを除いてほとんどないのである。洗濯機、冷蔵庫、テレビといえば家電三種の神器だが、その内三分の二が揃っていないことになる。この二つを用意せずして果たして最低限度の生活が送ることができるのかっていうとそれは無理な話なので、その辺はちゃんと考えている。特定とか怖いので画像は差し控えるが、僕の家のドアを開けると、すぐ真ん前にリサイクルショップ「おーでぃん」が鎮座ましましているのである。マジで徒歩0分。僕がこの立地を気に入った最大の理由がこれで、ある程度の家具をここで買い揃えることができ、もし退去する日が来たならば軒並みここで家具を売り払って退去ができるという寸法なのである。
 というわけで、

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 二つ揃って約二万円也。買ったその場で台車に乗っけてもらい、家のドアの前まで運んでもらった。送料無料である。

 お次はこいつ。テレビ台である。ある程度組立作業が必要なようだが、このシンプルな見た目的にそこまで複雑なもんでも

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なかろ……う……。


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 これあれだ。お父さんが日曜日まるまる使って作るやつだ。二日しかない引っ越し作業で組立タイプの家具を買ったのは間違いだったか……。
 とはいえ作らねばなるまい。ちなみにこの時夜八時を回った頃である。その後夕飯を近所の幸楽苑で済ませ、黙々とテレビ台を組み立て続けること約三時間。心的疲労、左手小指の打撲等の犠牲を孕みつつ、ようやっとテレビ台が完成したのは日付が変わる頃だった。流石にこの後なにか作業をする気にもならなかったので持ってきたベッドで寝ようと思ったがよく考えたら持ってきたのはベッドの骨組みだけで、マットレスを持ってきていなかった。
 仕方がないので先ほど敷いたふかふかラグマットが丁度いい塩梅っぽかったので僕はその上に寝っ転がった。
 これでまだ引っ越し作業全体の三分の一くらいという絶望にも似た感情を抱きながら、僕はその日眠りについたのだった。

 

 二日目に続く。

 

https://monster94.hatenablog.com/entry/2018/06/03/220648