片田舎から哀をこめて

野山を駆け回る程の自然もなく、天を貫くようなビル群もない。中途半端な片田舎からお送りします

アイドルオタクは少女達の夢を見るか(5/21STARMSRIEライブ~木下望生誕祭~に行ってきた)

 人というものは国籍や言語や宗教など違えども、本質的に分かり合える生き物である。しかし、生まれてこのかた十余年、どうしてもその心情が理解できない人種というものがいる。


 アイドルオタクである。


 そう、あの握手券を求めてCDを何枚も買い、ライブでは何故か法被なんか着てペンライトを右へ左へ規則正しく振る、秋葉原あたりで繁殖するあの方達である。
 僕はどうしても彼らの心情というものが理解できない。何故ならアイドルというのは虚構だからだ。誰かに作ってもらった曲を誰かに作ってもらった振り付けで踊り、自分の意志とは関係なくライブや握手会をし、愛想笑いを振りまく。最早滑稽とも言える彼女らに金をつぎ込む彼らは、滑稽を通り越して哀れであるとさえ僕は思う。法被の襟んとこに書かれた「○○命♥」なんてのを見るともうちょっと自分の命大切にしろよ母ちゃん泣いてるぞと思う。しかし彼らオタク達はそんなことを微塵も考えず、彼女らに貢ぐ為今日も金策に励む。全くもって理解しがたい。


 と、僕は思っていた。というかブログの盛り上がり的に多少脚色はしたものの、概ねそうだと今も思っている。しかし、これは僕の主観で見た意見でしかない。実際、昨今のアイドル事情は近年稀にみる盛り上がりを見せている。2016年頃に天下を無双したAKB48に続かんとばかりにどんどんアイドルグループがデビューし、今やその数は一万人以上。経済効果は一千億とも二千億とも言われる。それを動かしているのが「○○命♥」法被を着た無数のオタク達なのだ。これらの数字を前にして僕もただただ頭ごなしに否定したのではいささか寝覚めが悪い。書を捨てよ町へ出よう、と、見る前に飛べ、が座右の銘の僕だ。百聞するより一見してやろうではないか。そう考えた僕は、自分の休みの日に丁度ライブを行うというアイドルグループのチケットを取り、そして今に至るというわけだ。

 
STARMARIEとは?


 今回参加するライブは5月21日TOKYO FMホールで行われるSTARMARIEの「Fantasy World For You~木下望生誕祭~ 」である。いろいろ探したが今日やっているのがこのライブしかなかったのと、以下に記すとある理由でもって選んだという訳だ。以下にSTARMARIEというグループの詳細を記す。

 

スターマリー。2008年結成。
ファンタジーな物語(楽曲)を、激しいダンスパフォーマンスで表現する5人組ユニット。

その活動は国内にとどまらず、アメリカ、フィリピン、台湾など100本以上の海外公演を行い、世界中に多くのファンが存在する。
2017年に、テレビ東京系アニメ「カードファイト!! ヴァンガードG NEXT」のエンディング主題歌を担当。

2018年2月4日、中野サンプラザで3度目の単独公演を開催。同日、ニューアルバム『FANTASY WORLD IV』を発売した。収録曲「僕と少女霊媒師たち」では、大槻ケンヂが作詞提供している。

今年の4月29日には、SHOW-YAプロデュースの野外フェス『NAONのYAON 2018』に出演。


左から、松崎博香中根もにゃ、木下望、高森紫乃渡辺楓

 
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 まあという訳で安定の大槻ケンヂ繋がりで知ってたという訳。でもまあこれも何かの縁と思って行くことにした。ちなみにチケットは前売り¥3000、当日だと¥3500。アイドルにおけるチケットの相場は大体この位らしい。かなり良心的だ。


という訳でTOKYO FMホールへ


 東京以北における東京の玄関口、上野駅で新幹線を降りた僕は、アメ横観光を楽しんだ後、千代田区にあるビジネスホテルに入った。荷物を置いて早速TOKYO FM ホールへ向かう。地方遠征もなかなか慣れたものである。しかしこの時僕には一つ懸念があった。
 チケットがないのである。
 いや、ちゃんと公式ホームページから予約はした。僕はてっきりチケットを取るアイコンをタップすれば公式サイトからe+なりチケットぴあなりに飛ばされると思っていたのだが、必要項目を入力して送信、そして確認のメールが来るまでの間、どこの外部サイトに飛ばされることもなく、メールにはただ予約を受け付けた旨が記されてあるのみだった。果たしてこんなんで大丈夫なのだろうか。今一入場の仕方が分からない。とそんな疑念を抱えながらgoogleマップを頼りに歩くこと数分。僕は巨大な建物とその下に群がる人々を発見した。


 という訳でここからは実況中継である。僕は今TOKYO FMホール前の、恐らくライブの集合場所に来ている。



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 恐らく、としたのは確信が持てないからだ。確かに入り口付近には人が集まっている。しかし、多くのライブにつきもののフライヤー、所謂ポスター的なものが一切ないのだ。故に、この集まりがライブの開演を待っている集団である保証はないし、もしかしたら創価学会の集会に集ったものかも分からない。んなわきゃないか。そして更に僕の不安を煽るのは集っている人々の風貌である。冒頭で述べたような法被を着ているような人は一人もいないし、結構若い人達が多い。……え!女性もいる。一体これはどういうことなのだろう……と僕が考えていると係員らしき人がTOKYO FMホールの入り口を開けて「FCの方ご入場どうぞー」と言った。
 「FC」?あまり聞き慣れない単語だがなんだろうか。パッと思いつくのはFC東京とかFCサンマリノとかのサッカーチーム……。まさかこれはサッカーの集会だったのか!?
 んなわきゃない。FCとはファンクラブの略称である。僕も他のアーティストのファンクラブに入ってるのでそれ位知っている。ということはこの係員らしき人はファンクラブ会員の方達に先に入場するよう呼びかけたという訳である。こうなってくるともう疑いようもない。彼ら彼女らがSTARMARIEのライブに集ったファン達だったのだ。マジか。
 ってな感じで驚いていると、今度は「一般の方入場どうぞー」と声をかけられた。どうやらやっと入場できるようだ。
 さて、入り口の重厚なガラスを抜けるとすぐ前に階段があって、そこに先程入場したファンクラブ会員達が柵に沿って並んでいた。僕は壁に寄りかかった。どうやらここで開演時間まで待たされるらしい。とはいえ後五分。どんなアーティストのライブでもやはり胸が高鳴る。
 7時ちょうどに入場が始まった。どうやら窓口で1人ずつ予約した名前を言って、チケットではなくチケット代金を渡す仕組みらしい。古典的だ。僕もそれに習って入場。グッズ売場をスルーしてホールへ向かった。



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 体育館?


 なんだろう。中学校の時にやった合唱コンクールを思い出してしまった。本当にこんなところでライブを?椅子も備え付けでなくただ置かれただけのものらしいし、ステージ脇を隠しているのは安っぽい衝立ではないか。



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でも天井はすごい。


 普段ロックバンドのオールスタンディングのライブしか行かない僕にとっては衝撃である。それに何より奇妙なのは、椅子に座っているのが正に老若男女、おっさんもいれば若い女性もいるということだ。ポチポチとスマホでなんか書いている地味なやつもいる。俺だけど。誠に奇妙な空間だ。とそうこう思っているうちに開演時間だ。実況ここまで。

 


のんちゃあああああああん!!!!!


 って違う。ここからはライブ後の感想だ。開演時間の19時半から十分程遅れて、STARMARIEの五人がそれぞれ登場。今回発売されたアルバム、「Fantasy WorldⅣ」のジャケ写と同じ衣装だ。というか、近い……。僕は前から三列目の場所に陣取っていたのだが、その距離感がハンパない。一見簡素なように見えたステージは、そのまま観客との距離を近づけるのに一役買っているようだ。そしてそこから立て続けに二曲。ステージ後方の一見何もないように見えた白い壁は、スクリーンの役割を果たしているようだった。歌詞が映し出される演出が初心者的に嬉しい。そこから五人が一度捌けるとスクリーンに映像とモノローグが映し出された。物語性の高い楽曲が多いのもSTARMARIEの特徴だ。そうしてまた立て続けに二曲の演奏が終わると、五人のMCタイム。木下望(きしたのぞみ)ことのんちゃんの天然ぷりが楽しい。というか可愛らしい。え、ていうかちょっと待って。


 この娘可愛すぎませんか?

 
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 いやマジで可愛すぎるって何これ語彙力が足りないし紙幅も足りない。あまり長々と語っても読者が引くだけなので差し控えるがマジ可愛い。
 気を取り直してその後ライブはモノローグとMCを挟みながら行われ、最後の曲が終わったのが八時半だった。楽しい時間は一瞬というが、これは本当に短いな。あまり曲の詳細について知らないので一曲一曲丁寧に解説できないのがもどかしいが、本当に最高のライブだった。と息をつくのも束の間。暗転の直後、アンコールが沸き立つ。
 まあ定番だわな。と思っていると、現れたのはSTARMARIEの五人…ではなくスクリーンに映された映像だった。メンバー五人のオフショットとのんちゃんのクマのモノマネ……ああ、可愛い……。ことごとくいい意味で期待を裏切ってくれるライブだ。
 映像の後再び五人が現れると、そこからMC。書き忘れていたが本日5/21は木下望ことのんちゃんの誕生日。ケーキと花束を渡すサプライズ演出などがあり、こちらまで温かい気持ちになってしまった。そこから二曲MCを挟んで行うと、本日のライブは終了となった。



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終演後。スクリーンにアップで映されるのんちゃん

 


しかし、まだ終わらない


 いや確かに短いと思った。普通ライブといえば二時間くらいが平均だ。一時間半程で終わるのは早いと思っていた。なんとライブ終演後に握手会&チェキ撮影会があるとは。グッズを買って貰えるファンタジーチケットを渡せば握手とツーショットチェキが貰えるという仕組みらしい。筆者も買ってやろうかと思ったが普通に金欠だったので今回は断念。うーむ。惜しい。


まとめ 


 さて、というわけでライブはこれにて終了。夜風に吹かれながらこれを書いている。では今回、冒頭に述べたようにアイドルオタク達の心情を完全に理解できたのか?そう聞かれるとちょっと答えに詰まる。何故なら前提が覆るからだ。僕がイメージしていたように、法被などを着て鼻息荒くペンライトを振り回す、所謂オタクな連中はいなかった。どころか、そういったイメージの対局にある、若い女性客がいたのが目立った感じがする。自分が見て、感じていた世界がいかに狭かったかを思い知らされたライブだった。そして今ならアイドルに金を突っ込むオタク達の心情も分かる。彼らはただただ虚構に金を突っ込んでいるのではない。これは応援だ。アイドルを応援したいという気持ち。それを仮にお金という形に変えてアイドルに提供していただけだったのだ。そして応援された分、アイドル達はファンに元気を与える。その図式に男女の隔たりなどなく、ただただ純粋で、まるで彼女ら五人のように綺麗で美しい思いだけがあった。今回冒頭でマリスト(STARMARIEファンのことを言うらしい)並びにアイドルファンをバカにするような発言があったことを心からお詫びして締めさせてもらう。ごめんなさい。


 
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 やっぱり思い直して撮ったチェキ。二千円位安い安い。ガハハ