片田舎から哀をこめて

野山を駆け回る程の自然もなく、天を貫くようなビル群もない。中途半端な片田舎からお送りします

トンネルを抜けるとトンネルだった2

 ここで高校在学中の僕の一日というものを紹介しよう。ちなみにこの高校では1学年に3クラスずつあるが、それぞれ機械クラス、情報クラス、電子機械クラスと別れていて学習内容が違うため、所謂クラス替えというものはない。ゆえにこの一日がほぼ三年間続いたわけである。

 8時:登校。朝のHRは8:15からなので教室に着いてからいくらか時間がある。特に誰かと会話をすることなく読書をしたりやってない宿題をやったりして時間を潰す。尚この際誰かとの会話なし。

 12時半:昼休み。周りでガタガタと机をくっつける作業が開始するも動かざること山の如し。昼休みが始まってすぐはこの作業のお陰で周りに埃が舞うので、十数分してから弁当を食べ始める。食べ終わったらスマホで艦これをする。尚この際誰かとの会話なし。

 16時:放課後。全員部活強制参加の本校で僕は卓球をやっていた。当番になっていた清掃をすますと体育館横の卓球部部室へ向かう。体育館で後輩に威勢よく「チャース!」と言われて「おーう」と返そうとするも、今日初めて声を出したのでびっくりするくらい低い声で「う゛う゛う゛……」と唸るだけになってしまう。犬かよ。ちなみに後輩は微苦笑をして逃げてった。

 20時:部活終了。下校。帰りに近くのコンビニで買い物をした際、店員と「あ、袋いらないです」「はーい」とやりとりをして今日初めてまともな会話をしたことに気付く。帰り道はbluetoothイヤホンで音楽を聞きながら、人のいない田んぼの脇とかを通る。なんとなくむしゃくしゃして聞いてた歌を熱唱してたら脇道から人が出てきてめっちゃ微妙な顔をされる。

 21時:帰宅。帰宅してからのパターンは大別して三つほどだ。ゲームか通話か寝るか。この日は部活で疲れたので飯食って風呂入って23時頃就寝。以下ループ。

 今思い出してもまるで何かの単純作業のようなルーチンワークの日々だった。その間にも中学時代仲の良かった奴等はどんどん部活に勉強に恋にと忙しそうにしながら、その中でどんどん成長しているようだった。皆だけが進んでいて、僕の時間だけが中学の頃から止まっている。そんな感覚。かといってここが自分の場所だと折り合いを付けることもできなかった。何故なら僕は猿山に放り込まれた一匹の犬にすぎなかったからだ。ここから出ることは叶わず、ただ猿達を警戒して「う゛う゛う゛……」と唸る。哀れな野良犬に過ぎなかったのだ。
 じゃあどうすればいいのだろうか。悩みながら僕が出した結論は、恐らく読者の斜め下をいくものだった。