片田舎から哀をこめて

野山を駆け回る程の自然もなく、天を貫くようなビル群もない。中途半端な片田舎からお送りします

 1/20 「STARMARIE SPECIAL SESSION LIVE with大槻ケンヂ」に参加してきた。


 遠征二日目。本日は横浜から渋谷へと場所を移し、渋谷TAKEOFF7にてSTARMARIE×オーケンのツーマンライブである。


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 双方の大ファンの僕としてはピザに寿司を乗っけたかのようなお得感である。クッッッソ楽しみ。
 日曜の夜の賑やかさを称える渋谷センター街を抜け、僕は今TAKEOFF7内にいる。なんだかいつもスタマリの現場でよく見る人とオーケンの現場でよく見る人が一緒の場所にいるというのは変な気分である。高校の友達と遊んでたら中学の時の友達と偶然再会した、みたいな。いやべつにどっちも卒業したわけじゃないけど。
 ステージがあるのは地下。そこそこ小規模のハコなのは若干不服であるが、まあ良くも悪くもダンスをするにも弾き語りをするにも丁度いい大きさといったところか。開演前の場内にはスタマリへのオーケン作詞提供曲、「僕と少女霊媒師たち」がかかっている。
 開演時間を五分程過ぎたところで暗転。ステージの照明が灯るとまずはSTARMARIEの五人が登場。一人ずつ自己紹介をしたところでまず一発目に披露したのは「僕と少女霊媒師たち」。今日このライブを象徴する一曲である。CD収録時よりも更に磨きがかかった歌。それにツアーを通して磨きがかかったダンスでマリスト、おでん(大槻ケンヂファンの総称。オーケンが客いじりで言ったのが発端)双方共の心をガッツリと掴んだ。
 そして曲が終わるとトークタイム。少々変則的な構成のようである。先程歌った「僕と少女霊媒師たち」を作詞した時のお話を聞こうという流れでオーケンが登場。曲にちなみ霊媒師のトークをはじめるもスタマリメンバー総ポカン。一度高森志乃(しのはむ)がフォローを入れるもオーケンの口が回る回る。その度にどっかんどっかん爆笑をかっさらうのだからまた凄い。
 と頃合いを見計らってもう一人のゲスト、スタマリのママことSHOW-YAのsun-go☆が登場。トークに花を咲かす。トークの中でスタマリメンバーの年齢の話になったところが個人的にツボだった。スタマリメンバーは年齢をファンタジー、非公開にしている、という話をした時だ。


しのはむ「年齢はファンタジーだからもしかしたら二十歳かもしれないし三百歳ぐらいかも…」


オーケン「そうやって幻想に逃げるんだね!」


 という鋭いツッコミに場内大爆笑。他にもオーケン筋肉少女帯でやった卒塔婆を振りますパフォーマンスをスタマリが受け継ぐ、など爆笑トークの連続であった。
 と、多分十分くらいのトークタイムが終わると、スタマリ、sun-go姉貴が退場。ここからはオーケンの弾き語りパートである。

 


 ギターを持ち、まず一曲目に歌いだしたのは「タンゴ」。この曲はオーケン弾き語りの定番曲であるが元は「じゃがたら」というバンドのカバー曲である。原曲もかっこいいがオーケンのしぶいシャウトのかかったこのバージョンもいい。そして何気にオーケンのギターのうまさにも注目してほしい。ここ数年で本当にうまくなったのだ。
「次の曲はこじらせた少年がサブカルでマウンティングをとる曲です」
 といって弾き始めた二曲目は「香菜、頭をよくしてあげよう」。全く前説の通りなのだがこの曲はよく聞くと実は切ない曲だったりする。ポップなメロディで生と死を歌う、STARMARIEの方向性と少し似ているかもしれない。
 そして三曲目は「ネクストジェネレーション」、四曲目は「くちびるはUFO」。この二曲はオーケン若い女性と一緒にライブをする時必ず歌う曲なのだという。共におじさんと少女を題材にした曲だ。確かに筋肉少女帯や特撮の曲、他にも昔書いていた小説等でもこの題材は多く扱っている。物語が生まれやすいのだろう。
 その二曲を歌い終わると急にオーケンのテンションが激変。観客を煽って煽って始まったのは
「日本を印度に!?」
「しってしまえ〜!」
 の合いの手でおなじみ「日本印度化計画」。ここでなんといつもは起こらない手拍子が。二番でそれが一度途切れたり、三番の「カレーはなんて辛いんだー!」を観客に奪われてちょっとしょげる、等一々笑いに包まれながら歌いきった。
 そして六曲目。
 「スターマリーは人の生と死を歌うグループということで、少女が死に直面する曲を歌います」
 といって始まったのは「ノゾミ・カナエ・タマエ」。筋少一ダークと本人も称する曲である。
 先程と打って変わり静まり返って耳を傾ける会場。ここが筋肉少女帯、そして大槻ケンヂの面白さなのだ。「日本印度化計画」のようにネタ全振りの面白おかしい曲(一応プロパガンダだったりするらしい)もあれば「ノゾミ・カナエ・タマエ」のように人の心の闇をそのままえぐりだしたような曲も歌うその二面性。アイドルという明るいイメージの立場でありながら生と死という暗いテーマを歌うSTARMARIEとどこか似ている、と僕は思ったりするのだ。
 曲を歌い切ると「どうも、ありがとうございました」と一礼しオーケンはステージを去った。トークがいつも長引き、曲をあまりやれないのが良くも悪くもオーケンって感じである。
 その後五分くらい休憩を挟んで今度はスタマリのターン。妖しい雰囲気のモノローグから幕を開ける。
「さあ、一緒に開こう。STARMARIE


 そして現れたスタマリメンバーとsun-go。始まった一曲目は「悪魔、はじめます」。こちらは現在発売中の最新アルバム、「FantasyWorldⅣ」のリード曲である。曲の最後に「ではファンタジーワールドフォー、はじめます」とあるのはこの曲がアルバム冒頭の曲だから。こういうメタい作詞もあったりするのである。初っ端からアップテンポなナンバーにマリスト諸氏の熱い合いの手がかかる。今日はいつもより気合が入っているようにも聞こえる。まあ僕もだが。
 二曲目に披露されたのは「屋上から見える銀河、君も見た景色」。これまた「飛び降り自殺」をテーマにした悲しいナンバーである。冒頭と三番の始まる前にメンバーの一人がまるで高い所から落ちるような振りをするところがあるのだが、初めと後とでその振りをしていないメンバーの動きが違う所がポイント。ちなみにファン人気投票一位の曲である。やっぱり皆暗い曲が好きなのね。
 その後少しの暗転の後、三曲目は「君は死が与えられ、僕は生きろと命じられた」。こちらは現在絶賛キャンペーン中の三ヶ月連続シングルリリースの第二段、「キミとヒトリ月夜に歌う」のカップリング曲である。
 そして四曲目は「ドントルッキンフォーミー」。「僕と少女霊媒師たち」のカップリング曲である。今バージョン3くらいだろうか。披露する度にユニゾンを加えるなどリアレンジされていった曲である。今回シングルを買った方も多いかと思うので是非聞いていただきたい。
 そしてお次はスタマリ一ダークと名高い「サーカスを殺したのは誰だ」。これぞスタマリって感じである。この曲もそうだが今日披露された曲はほとんどyoutubeで聞けるので気になった方は是非検索してほしい。この曲に限ってはじっくり歌詞を読み込んで謎解きをすることを勧める。
 七曲目はsun-go姉貴大暴れの「ママは天才ギタリスト」。途中MCで話していたSHOW-YAと共演するきっかけとなった曲である。激しいロックナンバーでありながら母子の絆が描かれているのがまた面白い。
 お次はラスト。「姫は乱気流☆御一行様」こちらはアニメ「鬼斬」のタイアップ曲である。スタマリ一ダンスが激しい曲である(多分)。しかしそれでいてノリがよく覚えやすいダンスも多いところが特徴。最後にSTARMARIEの明るい、ライトな面を見せて終わる、というオーケンのセトリとは逆の趣向でスタマリのパートは終了。


 軽くメンバー五人とsun-goで感想を言い合った後、オーケンが「世界に打って出たらいいんだよ!スタマリは!」と言いながら再登場。軽くトークした後三組でセッション。曲はアニメ、「さよなら絶望先生」から生まれたユニット、「大槻ケンヂと絶望少女達」の曲、「おやすみ-END-」。個人的に大好きな曲である。
 絶望少女パート(確か原曲は斉藤千和のソロ)を五人がリレーで繋ぎ、ラストを中根もにゃちゃんが歌い切ると場内に静かな拍手がおこった。
 そしてラストのラストは「踊るダメ人間」。サビで腕をクロスさせジャンプする通称「ダメジャンプ」をスタマリの五人、そしてマリスト、おでん全員が飛んだ。もにゃちゃんが一人超ヘドバンしていたのが印象的だった。多分普通に好きなんだろうなぁ。
 「ダメ!それでも生きていかざるをえない!!」とオーケンがさけんでラストのラストの曲も終了。本当に名残惜しい。オーケン、sun-goがステージを去り、最後にスタマリメンバー五人から改めて今日来てくれたことに感謝を述べるなどして本当に今日のライブは終了となった。


まとめ
 本当に本当にいいライブだった。僕の生涯ベストにあげてもいいくらいである。本当にいいライブだった。願わくばまたオーケンと一緒にライブをやってほしいと思う。その為にも益々STARMARIEが成長することを願って筆を置かせてもらう。スタマリメンバー、関係者、オーケン、sun-goさん、本当にありがとう。
 

1/19 STARMARIE「Rise to Stardam」ツアーファイナル横浜公演の感想というか雑記

 銀杏BOYZに続き新年二発目のライブはおなじみSTARMARIEである。昨年末、11月頃に同「Rise to Stardam」ツアーの仙台公演に参加したのだが、実はそれがツアーの初日で、今回は同公演のツアーファイナルなのである。スケジュール上たまたまこうなってしまったのだが、なんというかこう、運命を感じざるを得ない。
 会場の横浜O-SITEは複合型ショッピングモール内の三階に存在する。直前までホテルでグータラしていたら遅刻ギリギリになってしまっていた。普通にタクシー使っちゃったよ。
 さて、本ツアー、僕は先刻書いた通りツアー初日のみ参加していたのだが、その後の名古屋公演にてメンバーの一人、高森志乃(しのはむ)が足を怪我するアクシデントがあったそうで、ダンスができないままに本ツアーを回ったのだという。
 それを乗り越えてのツアーファイナル。しかと見届けようと思う。
 セトリとかは初日とあまり変わってないので割愛。多分ツイッターとかに上がってるので各自参照のこと。今回は僕の感想を中心に書いていくので、ここでは「名もなき星のマイホーム」の後奏のとき、のんちゃんが振りを間違えて一人で爆笑していたのを記すに留める。(可愛い)
 
 まずしのはむの足の怪我について。どうやら足の怪我後は椅子に座って歌に専念しつつ手振り首振り腰振りでダンスを行っていたらしい。腰は違うか。ともかく椅子に座った状態という制限がある中、彼女なりにステージに立ち(座り?)続ける為にどうすればいいか考えたのだと思う。結果、それが彼女の表現力の部分を大いに開花させる結果となった。ステージの後半、椅子から立ち上がり、五人揃ってのダンスを披露した彼女のダンスは約二ヶ月のブランクを感じさせないどころか、二ヶ月間ツアーで磨き上げられた他のメンバーにも引けをとらない出来だった。このツアーファイナルが偶然にもしのはむの凱旋公演であることにこれまた運命を感じざるをえない。
 僕は三ヶ月間実際にツアーを追った訳でなく、せいぜいツイッターのタイムラインを追うくらいしかしてこなかった訳だが、それでも感動も一入である。すごい。やばい。エモい。ブラボー。
 語彙が足りない。


 それと新曲。「キミとヒトリ月夜に歌う」は既にyoutubeにて公開されているのでもちろん視聴済であるが、もう一つの新曲「君は死が与えられ僕は生きろと命じられた」は今日初聞きの曲であった。この曲、まずタイトルがいい。これだけでご飯三杯はいける。
 愛しあう二人の中が死をもって分かたれた時、生き残ったものは死んだものの分まで生きるべき、というのは当たり前のことだ。しかし、当の本人にしてみれば、生きているのはそういった倫理観、道徳観に命じられているからに過ぎなかったりする。この辺カップリング曲の「キミとヒトリ〜」の「孤独をわけてくれないか」という歌詞にも繋がる気がする。それとタイトルを聞いただけでは想像できないBPMの速さの曲だった。必聴。超いい曲である。


 最後に軽くまとめ。この三ヶ月間のツアー、初日とファイナルしか参加できなかった訳だが、いやしかしそれ故に彼女達の著しい成長をよりはっきりと認識することができた。最後のMCでも言っていたが、STARMARIEはまだまだ伸びしろのあるグループだ。これからもその成長を見守っていきたいと思う。という訳で明日は渋谷にてSTARMARIEオーケンとのツーマンライブである。
 クッッッッッッッソ楽しみである。

1/15銀杏BOYZ武道館公演「世界が一つになりませんように」の感想というか雑記

 1/15、僕はとめどなく溢れる鼻水をすすりながら九段下の駅を降りた。これが有名な「九段下の駅を降りた坂道」かなどと関心しながら歩くこと数分。これまたどこかで聞いた歌詞どおり大きな玉ねぎが乗っかっているようにしか見えない日本武道館のその姿が現れた。


 デカい。


 まず第一声がそれであった。これまで何度もロックバンドやアイドルのライブを見てきたが、それらは所謂ライブハウスでのことである。今まで行った中で一番大きいのはzeppTOKYOだったと思うが、そのキャパシティは2500といったところ。対して武道館は1万人。文字通り桁違いである。本当にこんなところでロックのライブをやるのか。そして1万人もの人が本当に集まるのか。田舎者の僕としてはどうにも疑問が残る。などと思ったのも束の間。武道館のすぐそば、あの大きな玉ねぎの下までやってくると人、人、人。トンでもない数の人間がいるではないか。これらが全てあの日本ロック史において常に異彩を放ち続けてきた銀杏BOYZのファンなのかと思うと感慨深い。若干カップルが多いのは癪だが。


 銀杏BOYZを初めて聞いたのは確か高校二年生の頃だったと思う。近所の(といっても自転車で二十分くらいかかる)ゲオで江口寿史手掛けるジャケットの「君と僕の第三次世界大戦的恋愛革命」を何となく手に取ったあの日のことはなぜだかよく覚えている。
 家に帰って全編通して聞くと、なんだかこのアルバムが自分のことを歌っているような気がしてならなかった。調べればこのメンバーは僕と同じく山形県出身らしいではないか。
 どこにもいけない閉塞感。漠然とした将来への不安。いうことのきかない性欲。都会への憧れ。
 それらを見事にロックミュージックへと昇華したこのアルバムは僕の生涯ベストアルバムトップ3に確実に入ることだろう。


 このアルバムの中で僕が一番好きなのはやはり「駆け抜けて性春」からの「BABYBABY」の二曲である。今日のライブではこの二曲はそれぞれ三曲目と十七曲目にやった。
「Whant you!!」
 と峯田が叫び、駆け抜けて性春のイントロが流れ出したとき、僕は鳥肌が全身にまわった後に涙がでた。正直、心配していたのだ。銀杏BOYZの直近のリリースは三つのシングルで、その前はオリジナルアルバム「光のなかにたっていてね」とライブ盤の「BEACH」の同時リリースだった。もちろん二つとも買ったのだが、前者の「光のなかに〜」はなんとなく自分には合わなかった。なんというか、銀杏BOYZにしちゃ綺麗すぎる。とでもいうのか。
 対して「BEACH」はファーストアルバム二枚を出してすぐの頃の銀杏のライブ盤である。青臭く、泥臭く、イカ臭く、衝動のままに音を紡ぐ銀杏BOYZの姿がそこにはある。僕が生で見たいのはそれだったのだ。
 しかし、「光のなかに〜」以降銀杏メンバーは峯田以外脱退。当の峯田もミュージシャンだか朝ドラ俳優なんだか分からないような状態で、果たしてあの頃のように銀杏BOYZの音を出せるのか。僕は気がかりだったのだ。
 しかしそれは杞憂だった。時に床に転がりまさに衝動的に歌い、時にギターを手放しステージを縦横無尽に走り回ったり、そして時に感傷的に歌ったり。
 例え体が衰えようと、メンバーが離れようと、伝えたい方向性が変わろうと、今まで作られた曲達に対して、そしてその先にいる銀杏ファンに対しての峯田の想いは変わらない。正直それが分かっただけでも今日来た価値があったと思う。
 そして「BABYBABY」を歌った十七曲目。ライブも終盤。ここまでずっと泣きっぱなしだった僕だがこの前奏を聞いたとき、またもや目に涙を浮かべてしまった。
 サビに入ると峯田はスタンドマイクを客席に向けた。そしてピタッと演奏が止めた。後に残るのは武道館に集まった一万人の歌声。あの場面はいまでもはっきり思い出せる。
 この銀杏BOYZの武道館公演のタイトルは「世界がひとつになりませんように」だ。「BABYBABY」を全員で合唱したあの瞬間、一万人の観客はひとつになったのかというとそれは恐らく違う。
 歌が持つ性質の一つとして、聞いていたときの記憶を詰め込むことができる、というのが挙げられる。一万人が合唱したあの瞬間、歌詞、メロディーは同じものをなぞらえど、それを聞いて思い出す記憶は万人が違うものだった筈である。
 僕は遠い昔、本当にあったのかどうかも今となっては怪しい初恋の時の感情を思い出した。しかし人によっては遠く離れた場所に住む恋人を思い出す人がいるかもしれないし、あるいは隣で一緒に歌う大切な人をより強く思うのかもしれない。
 しかし逆に大切な誰かに裏切られた時のことを思い出す人もいるかもしれないし、あるいは誰かと死に別れた時のことを思い出すかもしれない。
 世界は、人間の感情はひとつになんてなれっこない。人と人とが完全に理解しあうなんてことは不可能だ。たぶん峯田はそういうことを言いたかったんだろう。
 アンコールのラスト、エンジェルベイビーを歌いきると、峯田は満足げな笑顔でステージを去っていった。僕も武道館の外へと足を運ぶと、少しかいた汗が夜風に吹かれてかなり寒い。僕は少し震えながら山形行きの夜行バス乗り場へと急いだ。
 次の日の朝、家に帰って僕はまるで魔法がとけたように思い切り風邪をひいていたことに気づいた。

しりとりえっせいそのはち ミント

 

 スイーツにちょこんと乗っかったミントを食うべきか食わざるべきか、人々が論じあい始めたのは文献を読み解いていくに江戸時代末期頃からのようであるというのはもちろん嘘である。
 久しぶりに書くエッセイ。冒頭でなるべくインパクトあることを書こうとしたが若干空回りしてしまった感が否めない。とそんな事情はさておき、本当のところいつくらいからあのミントはスイーツの上に乗るようになったか、それを食う食わない言い始めたのがいつか。ネットの海を漂って調べてみたのだがこれがイマイチ判然としない。ミントだけに問題の根は意外と深いようである。
 まず、あるサイトではこうだ。”あのミントは飾りで乗っかっているだけであって食べるものではありません。はじめに皿の脇にうつしておきましょう。”
 これが所謂”ミント食べない派”である。で、これと対をなすように存在するのが”ミント食べる派”である。が、しかしこの派閥は内部分裂を起こしており、その中で主に二つの派閥に別れているのである。
 まず一つが、”ミントは食後の口直しです。スイーツを食べ終わった後に食べましょう”一派。
 そしてもう一つが”ミントはシェフが考えて置いているものです。スイーツを食べ進めてミントに辿り着いた時点で食べましょう”一派。どちらがタカ派でどちらがハト派かは読者の感性に任せる。
 このように様々なマナー講師によって主に上記3つの派閥が形成され、日夜己が己のマナーの正しさを説いているという実にカオスな惨状なのである。
 正しさというのはつまるところ多数派ということである。この三派が淘汰されることなく3つとも正しさとして残っているということは、どの派閥にも支持する人間が大きく偏らず三すくみの状態になっているということだ。確かにどの派閥の教えにも理に適った”それっぽさ”がある気がする。
 しかしそうはいっても真実はいつも一つ。歴史上のどこかの段階でどこかの誰かがスイーツの上にミントを乗っけたはずであり、そこには食用にせよ飾り用にせよ必ずなにかしらの意図があったはずなのである。がしかしその真実を今現在知る由はない。
 結局のところあのミントは食いたくなきゃ食わなきゃいいし、食いたきゃ食えばいい。タイミングなんてどーでもいい、とここでは言うしかない。
 がしかし、もし仮に読者諸君が高級フレンチなんかに行った場合、それも一人ではなく誰かと、例えば結婚を前提にお付き合いしている彼女なんかとデートの終わりに夜景の見えるレストランへ行ったとしよう。そこで彼女と二人、高級フルコースを一通り食べ終え、シャンペンを嗜みながら和やかな会話に花を咲かせる。
 がしかし、実はこの時、男の心臓は早鐘のように脈打っている。何故ならこの男、今日この場で彼女にプロポーズをしようと考えているからなのである。ジャケットの内ポケットには指輪のケース。男はそれをパカッとやるタイミングを今か今かと待っているのだ。そしてここでフルコース最後の料理、デザートの「ベルギー産チョコレートを使ったガトーショコラミント添え」が運ばれてくる。男はこれを食べ終わったタイミングで指輪を渡そうと決意する。
 がしかし男はここではたと気づく。実はこの彼女、もの凄く格式高い家のお嬢様で、テーブルマナーには人一倍厳しいのである。もし彼女が”ミント食べない派”の家柄で、男が何も知らずにパクっとミントを食べたりなんかした場合、その瞬間に一つの愛が潰えてしまう可能性があるのである。さあどうする。
 なんて状況があるかどうかは分からないが、もしそうなってしまった場合の解決策は簡単である。そのミントをナイフで2つに切り、ケーキを食べ進めながらこの記事を声に出して読んでいけばいいのである。
「このミントの処理の仕方ってのには実は3パターンあるんだよ。まずそもそも食べないっていうのが一つで、もう一つが食べ進めてミントに辿り着いてから食べるパターン。そして最後が食べ終わってから……食べるパターン!」

OBPは沖縄美少女プロジェクトの略?安直かよ!〜12/9渋谷GREATudagawa OBPLIVE裕子・麻鈴生誕祭に参加してきた〜

BPO」といえばBroadcasting Ethics & Program Improvement Organization、の略称で、CMなどでもおなじみの番組放送倫理向上機関のことである。ビジネス用語などにおいてはビジネス・プロセス・アウトソーシングの略称にも用いられている。
 では、「OBP」とはなんの略称であるか。


「O-沖縄 B-美少女 P-プロジェクト」


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 いや安直かよ。


 で、一体このOBPとはなんなのか。その名のとおり何かの作戦名という訳ではないらしく、どうやら地元密着型ローカルアイドル、所謂ロコドルというやつの一つであるらしい。自ら美少女を名乗るというのは如何なものなのか。
 と、正直グループ名一つで侮りまくっていたのだが(ごめんなさい)、このグループ、日テレ主催の「ロコドル甲子園2018」で優勝していたり、テレ朝の「musicるTV」に出演していたりと、結成から三年余りで着々と実力を付け始めているグループらしい。現在3rdシングル発売中とのこと。
 で、本題。何故山形在住の僕が日本で最も離れた沖縄のローカルアイドルの話なんかを急にしはじめたのか。その理由は本日12/9、東京は赤坂BLITZ(誰がなんと言おうと僕はこう呼ぶ所存である)で行われる筋肉少女帯の「ザ・シサ」ツアーファイナルに参加する為僕は山形から東京へ遠征するのだが、そのライブ一つだけ見て帰るというのもなんだか勿体無い(?)ので、午前中になにかしらイベントはないかしらんと探していたところ彼女らの名が引っ掛かったというわけである。僕もまた安直である。
 そんな訳で、本日11:00から渋谷GARRET udagawaで行われるライブは「OBPLIVE~裕子・麻鈴生誕祭~」である。ライブ終了が14:00で、筋肉少女帯ツアーファイナルの開演時間は16:45。いい塩梅の時間ではしごできそうである。


 現在時刻は11:00ちょうど。会場のGREATudagawaはライブハウスというよりクラブに近い構造のようである。ミラーボールが左右に取り付けられ、場内にきらびやかな明かりを灯している。
 開演予定時間を五分程過ぎたところで幕が開き、まずは"第二期研究生"のライブである。どうもこのグループ、ハロプロ的構造のようである。「二期」とあるところを見るにラストアイドル的構造も含んでいるようだ。彼女らは二曲披露したところで終幕。早い。パフォーマンス的には可もなく不可もなくといったとろか。どうもいろいろなアイドルの現場に行き過ぎて目が肥えてしまっている感がハンパない。ただメンバーのビジュアル面においては目の肥えた僕的にも目を見張る程目に入れても痛くないくらい可愛い。目が眩むほどである。その辺は流石美少女を名乗るだけのことはあるということか。
 その後は一期生の撮影会&二期生のチェキ会。ステージとフロアをフルに使っての進行である。超盛り沢山。
 その後正規メンバーによる三十分程度のライブ。やはり数多の研究生の上に立つ正規メンバーであるだけにパフォーマンスはかなり良い。KANA-BOONの「シルエット」のカバーはかなり盛り上がっていた。
 そんでまたもやチェキ会。まるでライブの休憩時間のようにちょうどいい塩梅にチェキ会、撮影会を挟む進行のようである……。と思っていたのだが、チェキ会なげぇ。ライブ時間以上にやっているような気がするのだが。と、チェキ撮影している彼女らとファンを観察してみるに、その理由がなんとなく分かった。一人一人長いのだ。撮影、チェキの手渡し、その後ちょっとお喋り、とここまで含めて一分くらいだろうか。相場に比べて値段も比較的安い。これが琉球クオリティーか。他のアイドルグループだと、チェキを撮る枚数が予め決まっていて、撮りたい人がいても売り切れ、なんてこともあるのだが。ファン一人一人を大切にしているということである。でも時間が押して二期研究生のMCが無くなってしまうというのは如何なものか。琉球クオリティー
 そして時間押し気味での正規メンバー二度目のライブ。こちらも時間は三十分程。かなり濃いライブである。でんぱ組のカバーとあと他の曲は……にわかだから分からない。スマン。
 ライブ終了後にはファンから誕生日ケーキを渡すサプライズ演出があった。そういえば触れるのを忘れていたが、本ライブは正規メンバーの宜野座麻鈴(すごい名字だ!)と小宮山裕子二人の生誕祭だったのである。おめでとうございます。突然のサプライズに驚くのも束の間、なんと今から重大発表があるそうなのである。
 ステージ前面に設置されたスクリーンが降ろされ、そこに映し出されたのはOBP所属事務所の社長、鎌倉圭氏。彼の口から直々に彼女らに、そしてファンに告げられた重大発表とは以下である。


・定期公演におけるミッション廃止(自由に制限なくライブできるようになるということだろうか)
・4thsingle発売決定
・1stAlbum発売決定
・5月25日渋谷wwwでファーストワンマンライブ決定
・しかしキャパ300人を埋めなければ東京で活動停止


 えぇ……。ちょっと厳しいのでは?


 あまりの事の重大さにシーンとなる場内。この分だとメンバーもマジで聞いていなかったようである。その後メンバー一人一人コメントしていったのだが最後には泣き出す場面も。そりゃあそうだ。本日この渋谷GREATuedagawaに集いしOBPファンは多く見積もっても50人といったところ。普段の定期公演でも現状集客は180人程度が最高だとMCでも言っていた。それが300人。約半年で。
 これは所属事務所の仕掛けたRPGにおける永久プレイ防止の無敵モンスター的なやつではないだろうか。OBPの沖縄帰還を望むファンも多いと聞くし。
 しかしMCでも言っていたのだが、泣きながら言っていたのだが、彼女らはまだ東京でやりたいことが残っている。沖縄に戻れば地元のファンは喜ぶかもしれないが、アイドルメジャーシーンに彼女らの名が残ることは無くなるだろう。
 300人。無謀な数字にも見えるがあと半年ある。本当に微力ながら僕もこの記事と当日のキャパを一つ埋めるくらいの応援くらいはさせてもらおうと思う。
 しかし、巡り合わせってすごいもんだなぁ、なんて思いつつとりあえず筆を置く。この後は赤坂で筋肉少女帯

11/29アキバカルチャーズ劇場「転校少女*定期公演2018〜私立元麻布学園祭〜」に参加してきた

 遠征二日目は所変わって我らオタクがホーム、聖地秋葉原である。昨日のこぶしファクトリーは流石ハロプロといった感じの王道アイドルグループであったが、本日の舞台はアキバカルチャーズ劇場にて行われる「転校少女*」というグループである。以下詳細。


エモーショナルかつ文学的な楽曲をパワフルなステージングで表現する5人組アイドルグループ。2018年9月に新体制となる。メンバーは塩川莉世、岡田夢以、松井さやか、渚まお、寺田葵。

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2017年4月25日、プライベートレーベル「Transfer Girl Records」を設立、1st Sg「この世界にサヨナラして」がオリコンデイリーランキング1位、ウィークリーランキング13位を獲得。 2017年に行った3rdワンマンライブ@O-WESTや4thワンマンライブ@新宿BLAZEをSOLD OUTさせる。
2018年3月27日2nd Sg「ショコラの独白」リリース。オリコンデイリーランキング1位、ウィークリーランキング5位を獲得。初週オリコンポイント21,098枚、実売34,000枚を記録する。4月28日開催5thワンマンライブ@マイナビBLITZ赤坂につづき初の全国ツアー「Star Light Tour」初日、9月16日@山野ホールもSOLD OUT。10月16日に1st AL「Star Light」をリリース。

 


 以前別件でカルチャーズ劇場に行った際に貰ったフライヤーでちらりと姿を見たことがあるだけだった彼女達だが、僕が知らなかっただけで名実共に実力をメキメキと付け始めているグループであるらしい。個人的にエモーショナルかつ文学的というところに大いに好感がもてる。またビジュアル的にもこれまた個人的にポイントが高い。
 このグループの歴史をちょっと遡ってみると、どうやら彼女らは2018年5月まで「転校少女”歌撃団”」と名乗っていたらしい。”撃”の字は誤字ではない。

 結成当初このグループは「歌って踊って銃を撃つ」をコンセプトに掲げた、ミリタリーとアイドルを絡めたアイドルグループだったらしい。カレーの上にハンバーグを乗っけたかのようないいとこ取り感である。今現在のコンセプトに変わったのは去年の4月からであるらしい。方向性が真逆すぎる。
 そして本日の公演のタイトルは「転校少女*定期公演2018〜私立元麻布学園祭〜」である。実は先程あげたミリタリー要素のコンセプトにはちょっと細かい設定があり、グループのメンバーは架空の女子校に通う生徒で、そこの「歌撃団」に入団しているというシチュエーションだったのだ。で、その架空の女子校というのが私立元麻布学園なのである。
 なぜ私立?なぜ元麻布?そもそも歌撃団ってなに?というかミリタリー要素は捨てたのでは?様々な疑問がふつふつと湧き上がる18:00。僕は今アキバカルチャーズ劇場の中にいる。


 正直言うと昨日のこぶしファクトリーの方が本命で、今日もたまたま休みだったから何かしらアイドルのライブを見たいなぁという思いでこの地に降り立ったのだが、調べを進めていくうちにとんでもないアイドルのとんでもないライブに来てしまったのではあるまいかという思いがふつふつと湧き上がってくる。しかしもうチケットは発券済である。200番台。恐らくかなり後方と思われる。というかかなりの人数である。全員入るのかこれ。


 会場内では現在特典会が行われているようである。所謂握手会、チェキ会である。どうやらライブ前に物販をやっていたらしい。その際チラリとメンバーの姿を見たのだが、どうも今日はメンバーが学生服を着てライブをやるらしい。それに合わせてか詰めかけたファンにもちらほらと学生服姿の方が。学ランもいる。仕事帰りのサラリーマン達等と相まって中々にカオスな空間が形成されている。
 18:20頃に入場が開始され、僕は椅子席右翼後方付近に腰を下ろした。これだけの人数でも意外に入るもんである。


 さて、会場を異様なまでの熱気の熱気が包む中、19:00を二分程回ったところで照明が落とされた。と同時に会場を青いライトが照らす。
 この時気がついたのだが僕が腰を下ろしたこの位置はどうやら撮影可能エリアらしく、この時周りの方達が一斉に一眼レフカメラを取り出した。スーツ姿が相まって完全に父兄である。


 そしてメンバーの五人が一斉に現れ、始まった一発目の曲は「ときめけ☆アフタースクール!」。一曲目からアップテンポのナンバーである。制服姿で現れたメンバーの笑顔がまぶしい。そして何といってもファンの声量。先程から凄まじい熱気の籠もるこのアキバカルチャーズ劇場だが、どうやらその熱気の発生源は彼らのようである。声援、掛け声、 サイリウムを振る手、それらが一体となり一種異様なまでの熱気と盛り上がりを見せている。


 そしてそのまま二曲目は「ときめけ☆サンデー!」。盛り上がりはとどまるところを知らない。その盛り上がりはステージ上のメンバーにもフィードバックされているようで、会場の熱気が高まるにつれて、統率のとれたダンスにはじける笑顔、そして歌に更に熱が籠もっていく。


 三曲目を披露し終わったところでMCタイム。
「本日はお越しいただきありがとうございます!」
 と、感謝を述べ、それぞれの制服のことに触れたりした。今日の「元麻布高校学園祭」と題された公演は初めてのものらしく、ファンの前で制服で現れるのは初めてのことらしい。
「さあ、続いての曲も一緒に声出せる曲だと思います、聞いてください『LoveRange!』」
 と四曲目に。今度は先程の曲に比べダンスが激し目である。というか音が大きい。音割れしてないかこれ。と僕は思ったがそんなことお構いなしとでも言わんばかりにMCを一度挟んだとは思えない程の歓声をあげるファン。すげえ。そして五曲目に「with you」。流れるように六曲目の「she's rain」。
 手をヒラヒラと動かすダンスが印象的なこの曲は今日始めてのバラードである。ラスサビ前の夢以ちゃんのソロパートが鳥肌ものであった。歌うまい。このグループのリーダーである夢以ちゃんは何曲かで語りのパートがあったのだが、どれも幻想的で、どこか儚げな趣があって美しかった。


 そして二度目のMCタイム。
「今日は私立麻布学園の文化祭ということで文化祭らしい企画を持ってきました!」
 といってステージ中央に運ばれたホワイトボード。メンバーが全員で出されたお題に対して一筆書きでそのお題の絵を書き、最後に観客に当ててもらうというゲームらしい。終盤のグダグダ感は若干拭えなかったものの五人の絵のセンスが垣間見えるコーナーだった。


 コーナーが終わって七曲目は「step by step」。八曲目に「じゃじゃ馬と呼ばないで」と超アップテンポのナンバーが続く。特に「じゃじゃ馬と呼ばないで」の盛り上がりは凄かった。所謂MIX曲(曲間の決まった場所で決まったコールをする曲)らしいのだが、ただでさえ物凄い声量の観客である。どうなるかは想像に難くないだろう。鼓膜にビリビリきた。
 そして続いてはタオル曲(サビ等盛り上がるところでタオルを振り回す曲)「サマーサマー皆SUMMER」。この曲は五人体制になって初めてやる曲らしい。秋も終わりかけたこの季節にやるこのギャップ。というかこの場内だけでみれば確かに真夏といっても過言ではないだろう。皆SUMMERである。


 九曲目が終わったところでもう一度MCタイム。ツアーや定期公演などの告知をした。詳しくはHP等をチェック。
 MC終わって十曲目は「プロムナードの足跡」。そして十一曲目は「銀河列車」。歌詞が切なく幻想的なバラード曲である。ステージ上でもそれに合わせてあまり動きが少なく、青の照明が歌う五人を照らす。聴き惚れ見惚れてしまった。
 そして(あれ?このまま終わりかな?)というエンディング感をぶっとばす本当のラスト曲は「Girl's time」先程と打って変わったカラフルな照明と激しいダンス。そして曲後半にはメンバーがステージを降りて何故か観客に文房具を配るという演出が。いや何故だ。欲しかったけど。


 そして曲が終わり、改めて今日来てくれたことに感謝を述べ、五人はステージを降りた。アンコールはないようである。

 


まとめ
 

 記事冒頭少しばかり彼女らをディスるような物言いをしてしまったことをここで陳謝せざるを得ない。とても魅力的なステージであった。先程も言ったが今日の学園祭と銘打ったイベントで制服を着てライブをやるというのは初の試みらしく、恐らく最初で最後のライブらしい(あの観客の残念がりようを見るにまた同じような機会があるかも分からないが)。それだけに普段着る衣装での普段通りのライブも純粋に見てみたいと思った。
 と新たに今後が楽しみなグループが増えたところで筆を置いて山形に帰る。疲れた。


 
 


 

11/28千葉柏PALOOZA「こぶしファクトリー ライブツアー2018 ~SHINE!こぶし魂!~に参加してきた」

 ネットであれどこであれ、現代日本のアイドル事情を語る時分に決して外せないのは「ハロー!プロジェクト」の存在である。「モーニング娘。'18」をはじめ、「Berryz工房」、「℃-ute」、「Juice=Juice」等、ハロプロは現代アイドルにおいてAKBグループ(坂道シリーズ含む)と並んで双璧を成す存在といっても過言ではない。代表であげたグループの半分が既に解散していることについてはここでは触れない。各自ググるように。
 僕は一応アイドル好きを語っておきながらその双璧の間をするりとすり抜け、どちらにもぶつかることなく今まで生きてきた。青春時代をサブカルの沼地で過ごした僕としては、そういったアイドル業界における主流、メインカルチャーに対してなんとなく嫌悪感を覚えてしまうのだ。我ながらよく分からん性分である。
 しかし僕はアイドルという文化に触れていくにつれ、もうちょっとアイドルという業界全体を見回してみたいと思うようになったのだ。という訳で今日11月28日のライブレポは、千葉は柏PALOOZAにて開催されるこぶしファクトリー ライブツアー2018 ~SHINE!こぶし魂!~である。

 


 こぶしファクトリーとは何者か


 youtubeを徘徊していた時に何度かMVを見たことはあったのだが正直ほとんど知らないグループである。たまたま僕が今日休日で、その日にライブをやっていただけとかいうスタマリの時のようなノリである。以下こぶしファクトリーの詳細。


2015年1月25日、ハロー!プロジェクト所属のハロプロ研修生内で結成されたユニットとして、同年2月25日にユニット名が発表された。ユニット名の由来は、「春の訪れを告げるように、他の木々にさきがけて白い花を梢いっぱいに咲かせる日本原産の花、「コブシ(辛夷)」のように「優美」でありながら、コブシという名前の由来でもある(にぎりこぶし)に象徴される「力強さ」を兼ね備えたグループになってほしい」とされている。
 画像右から広瀬彩海ターコイズ)、野村みな美(ロイヤルブルー)、浜浦彩乃(ピンク)、井上玲音(グリーン)、和田桜子(グリーン)※()内はメンバーのイメージカラー。
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 ちなみにこぶしファクトリーは元は八人体制のグループだったらしい。脱退したメンバーは藤井梨央マスタード)、小川麗奈(レッド)、田口夏実(オレンジ)である。
 比較的暖色のカラーが抜け寒色系が残されてしまったのは最早悲劇としか言いようがないと僕は思うのだが、一部ファンからは五人になったことによりパフォーマンスがいい塩梅になったという意見もある。確かにyoutubeでMVやらライブ映像やらを見るに八人体制の頃より五人体制の方がスッキリと洗練されているようにも思える。
 さて、そんな五人はステージでどんなパフォーマンスを見せてくれるのだろうか。現在時刻は18:25。開演五分前の柏PALOOZAは超満員である。
 27分になるとアナウンスが入り(広瀬彩花直々に。途中噛んだ)三十分丁度に開演。冬の到来を忘れさせる物凄い熱気と歓声である。

 


 激しいSEとそれに合わせた観客のコールに合わせて現れた五人。それぞれメンバーカラーを意識した艶やかな装いである。一曲目は「明日テンキになあれ」。一曲目からかなり激しめのアップテンポの曲である。しかしそれに合わせたメンバーの歌とダンスが凄まじい。スタンドマイクを絶妙に使いこなす様は見事としか言いようがないし、五人揃ってのユニゾンは圧巻である。すごい。思わず聞き入ってしまった。と息つく間もなく「チョット愚直に!猪突猛進」に続く。
 こぶしファクトリーの名に恥じぬこぶしがキラリと光るこの曲はヒャダインの作詞作曲である。流石としかいいようがない。彼女らの魅力が存分に発揮されている。
 そして続いて「念には念(念入りver)」。曲中のねんねんねんねんと繰り返す箇所は場内で大合唱だった。二番の終わりの「忘れんなアンブレラ」と歌う箇所でど忘れしてしまったのか、「・・・アンブレラ」と赤い照明に照らされる中ちょっと笑いながら歌ってたのが印象的だった。他が完璧すぎるが故にだが。
 三曲歌ったところで軽くMCタイム。一人一人自己紹介をした後ツアー恒例のコーナーだといって始まったのは五人アカペラでの楽曲披露。という訳で四曲目は「GO TO THE TOP!!(アカペラver)」である。ボイスパーカッションを丸々一曲分やり続ける体力、リズム感、そして他四人の見事なまでのハモリ、聞いてて鳥肌が立った。クソ暑いのに。先程から何度か書いたがやはり「こぶしファクトリー」の大きな魅力のひとつは歌唱力である。五人揃ってのユニゾンの綺麗さ、と言ったら右に出るものはいないのではないだろうか。本当に凄い。
 そこから三曲やったところで(曲名分からなかった。セトリキボンヌ)MCに入ると、サイン入り色紙のプレゼント抽選会が始まった。物販で¥3000以上買うと抽選番号が配られるそうである。知ってたらなんか買ってたんだが。残念。
 そしてMCを挟んで「押忍!こぶし魂」。応援団のような振り付けが見ていて楽しい初期の代表曲である。「小さな拳を高く突き上げろ」という歌詞が個人的に好きだったのだが、生でメンバーが拳を上げて歌っているところが見れてよかった。
 そしてその後衣装チェンジを挟みつつ十二曲目は「急がば回れ」。サビでの五人のユニゾンが際立つ曲である。今日二度目の鳥肌。
「ここからラストスパートですよー!」
「まだ体力残ってますかー!」
 と煽って始まったのは「This is 運命」。こちらは「メロン記念日」のカバーである。サビで一気に転調する面白い曲。
 そして十五曲目は「シャララ!やれるはずさ」。この辺りで会場のボルテージはピークを迎えていたと思う。メンバーの歌う音と観客の掛け声が合わさって鼓膜に強烈に響く。ラストの「これからだ!」のラスサビで、これからだ、今からだと繰り返す箇所では場内全てが大合唱。今日一番の盛り上がりを見せたところで「本日はどうもありがとうございました!」と叫んで五人はステージを降りた。


 そして場内からは鳴り止まぬ拍手からのアンコール……だと思ったのだがここでは「こ、ぶ、し!」と叫ぶのが慣わしらしい。そしてアンコールならぬこぶしコールを受け現れた五人はラフなTシャツ姿で全員タオルを持っている。アンコール一曲目は「亀になれ!」。所謂タオル曲というやつである。タオルをぶんぶん振り回す姿がまた可愛らしい。
 曲が終わると一人ずつ今日のライブの感想を述べ、そしてラストは「ナセバナル」。本日唯一のバラード曲である。バラードだとやはり歌のうまさが際立つ。本日三回目の鳥肌。曲が終わると五人揃って
「本日は本当にありがとうございました!」と叫ぶと、五人は会場にいる人間一人一人に隈なく手を振り、ステージを去った。

 


まとめ


 レポート中再三言ったがやはり歌声が素晴らしいライブだった。僕は今まで曲を聞く際にどちらかというと何を歌うか、つまり歌詞を重んじて好き嫌いを振り分ける傾向にあったのだが、僕はこの五人の歌声が好きになってしまった。そしてビジュアル面的にも五人どれをとっても可愛いしダンスも洗練された美しさがある。
 なんというか、流石ハロー!プロジェクト。流石つんく♂。といった感じである。アイドルかくありき、というものを見せつけられたライブだった。やはりアイドルは奥が深いし面白い。と思ったところで今回は筆を置かせてもらう。明日は秋葉原へ移動である。