片田舎から哀をこめて

野山を駆け回る程の自然もなく、天を貫くようなビル群もない。中途半端な片田舎からお送りします

11/14アキバカルチャーズ劇場STARMARIE定期公演「ドントルッキンフォーミー」に参加してきた

 アキバカルチャーズ劇場でSTARMARIEの定期公演を見るのは何だかんだでこれが二回目である。かくいう一回目は丁度一ヶ月前の10/17。「最後を喰らうモンスター」と題された公演である。その時書いたレポが下記なのだが、ちょっと読んでいただきたい。


https://monster94.hatenablog.com/entry/2018/10/17/223529


 おわかりいただけるだろうか。


 この時僕は話に全然ついていけてなかったのである。


 確かにストーリーはちょっと抽象的な側面もあった。しかしだからといって曖昧なまま読者に丸投げするなどブロガーとして、レポーターとして言語道断のはずであり、この記事は出来として最低といっても過言ではないのである。
 つまり今回の定期公演は個人的にリベンジ公演でもあるのだ。ツアーラスト。しっかりレポートしてやろうではないか。
 ちなみに今回の定期公演は「ドントルッキンフォーミー」と題されている。言わずとしれたSTARMARIEの同名楽曲をモチーフにストーリーを紡ぐということなのだろう。
 
 時刻は19:30。そこから6分経過した36分に照明が落とされた。そして現れる五人。本日の衣装はファンタジーノベルのときのモダンでゴシックな衣装である。個人的に生では初見。

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 美しい。


 そしてステージに赤い照明が灯され、一曲目は「グッモーニンッ!!ハマムラSHOW」。今宵もSTARMARIEのキレキレの歌とダンスが冴え渡る。そのまま連続して曲に行くかと思いきや曲が終わると一旦はける五人。そしてスクリーンには海の映像が流れ出した。そしてそこに浮かぶモノローグ。(メモに残せた範囲で書き残す。ちゃんと全文読みたい人はpigooの有料会員になることを勧める。というかそれより来い)


「深い海の中であなたを探していました」
「いつから私は迷子になったのでしょう」
「透き通る水面に万華鏡のようにあなたとの思い出が揺れていました」


 モノローグが終わって再び現れる五人。二曲目は「賢者のローブ」。そして「さよならお弁当」と続く。「賢者のローブ」のラスサビ前のひいちゃんのソロパートで、それまで緑色だった照明がパッと青色に変わるところがとても幻想的だった。
 三曲が終わったところで再びモノローグ。


「待って!」
「あなたの後ろ姿をいくら追いかけても追いつけない」
「やがて私の呼吸は止まってしまう」
「待って!」
「なんだ、また夢か」


 そして再び現れる五人。怪しいイントロから始まる四曲目は「スペルオブザブック」。先程と打って変わったダークな雰囲気に緊張がはしる。そして五曲目は「さよならお弁当」。二曲立て続けたところで再びモノローグ。


「生まれるその前からわたしは海の中を泳いでいた」
「あなたの奏でる優しいリズムに身を任せて」
「長い旅を続けて、やがて運命の人と出会う」
「それは運命なのかもしれないし、偶然なのかもしれない」
「でもそれは、紛れもない宝物でした」


 モノローグが終わって六曲目は「星の旅人たち〜明日、世界がなくなるとしたら〜」。この曲はダンスなし。五人横並びになって歌った。ちなみにここでようやく五人の顔に笑顔が。ダークファンタジーもいいがやはり笑顔も可愛い。のんちゃんのソロパートの箇所がちらほらあったのだが、ダンスがないとその声量とメリハリの付け方のうまさが際立つ。……贔屓目、いや贔屓耳だろうか。
 歌い終わって一礼し、七曲目は「ステラとスバル 宇宙のラブストーリー」。六曲目と対象的に激しいダンスである。八曲目は「ぐらんぱぐらんぱ」。個人的に初聞き。一番と二番の間奏で五人がステージ中央に円陣のように集まる箇所があったのだが、そこで五人がはちきれんばかりの笑顔で目を合わせていたのが印象的だった。


「深い海の中で長いあいだ探していました」
「でも何を探しているのか」
「やがてあなたの顔も存在もわからなくなった」
「まるで赤ん坊のように記憶をなくしてしまったとしたら」
「忘れたくないです」
「忘れたくないです」
「……。」
「ねえ、あなたは誰」


 モノローグが終わると、海を背景にしていたスクリーンが花柄に変わった。そして九曲目は「私のいない世界で君は明日を迎えられる?」これもまたダンスは少なめの曲。後奏の終わり方がとても綺麗だった。


「私はここで何をしていたのでしょう」
「深い海の中で迷子になっていると知らない人が腕を握った」
「強く」
「強く」
「最初は少しこわかったけど、なんだかとても懐かしい香りがした」
「はじめまして」
「出会えたそのことが前世からの続きだと仮定して、例えばこの先大切なひとを失っても、きっとあなたに会える」
「もう一度あなたを恋する。何度だって」
「あなたが記憶の海を泳いであたしを見つけてくれるのだから」


 そして流れるピアノのイントロ。現れるメンバー。十曲目は「ドントルッキンフォーミー」。照明が今日一番という位彼女達を照らす。一列に並んで歌う彼女らがとても晴れやかな表情だったのが印象的だった。
 曲が終わると一礼してステージ脇へとはける五人。ゆっくりと落とされる照明。そして真っ暗闇の中いつもならばアンコールが湧き上がるのだが今回は手拍子でのアンコール。確かに僕もここでアンコール!と叫ぶのは違うと思う。
 そして手拍子にのせて現れたのはメンバーではなく……一本のスタンドマイク?いつものSTARMARIEのパフォーマンスでは見慣れない代物である。
 そして照明が灯り、現れたのはかえちゃん一人。マイクの前に立つと脇に抱えた本を開いた。
 そして始まったのは詩の朗読。よくよく聞けば公演冒頭からスクリーンに映されていたモノローグである。それを全て読み終わったところで再び全員登場。もう一度「ドントルッキンフォーミー」を歌った。
「ファンタジーショー、来てくださってありがとうございました」
 曲が終わってかえちゃんがそう言うと全員一礼。ステージを去った。

 


まとめ
 まだ追い初めて半年程だが、ここにきてSTARMARIEの新境地をまざまざと見せられたな、と思った。振り返ればライブ通してMCなし、コールありの曲一切なしというSTARMARIE濃度100%のライブであった。
 仙台公演の時も書いたが、この新たな演出に関しては賛否両論別れるのかも分からない。賛成派、というのはSTARMARIEを一つの表現として好いているもので、反対派というのは彼女らをアイドルとして好いているものである。
 アニメ界隈での円盤の売上などを見るとその傾向が顕著であるが、やはり見目麗しい女性がはちきれんばかりの笑顔で歌って踊ってちょっと肌を露出させるというのは(恐らく昨今の萌えアニメでは最後が一番肝心)それなりの経済効果が生まれるようである。スターダムをのしあがっていくにあたり安牌を切るならば 上記のような路線でせめていくのが妥当だろう。
 がしかし売れるのはそこそこ。これまたアニメ円盤を引き合いに出すと、本当に売れているのはストーリーがよかったり演出が良いものだったりするのである。
 アイドルの本分である笑顔を極限まで削り取り、STARMARIEの本分であるダークファンタジーを極限まで高める。
 そんなこの公演を見て僕はSTARMARIEと、それを牽引する高谷氏の、なんとしてでもスターダムを駆け上がるという決心の硬さを見た。
 これから、というかもうツアーが始まっているが、このツアーを終えたとき、一体STARMARIEはどの位置にいるのか。そしてそこからどんな景色を見せてくれるのか、非常に楽しみである。


 忘れかけていたが本公演のストーリーを解説すると、というか説明するだけ蛇足になる気もするが一応やっておくと、「ドントルッキンフォーミー」という曲の歌詞は愛する女性の記憶がどんどんなくなっていくという淡く切ないストーリーを男性目線から描いたものである。本公演のモノローグはその逆。女性の側から見たストーリーなのである。
 その二つの視点から今一度「ドントルッキンフォーミー」を深く掘り下げられた素晴らしい公演だった。
 正直最後にもう一回「ドントルッキンフォーミー」が流れたときはちょっと込み上げるものがあった。握手会あったから我慢したけど。
 というわけで改めて彼女らのご健勝と発展を祈りつつ筆を置かせてもらう。

 

 


 

11/13ハイライト

 個人的ライブツアーもようやっと大詰め。今日11/14は秋葉原カルチャー劇場にてSTARMARIEの定期公演である。ちなみに現在時刻は15:30。めいどりーみん秋葉原電気街口駅前店にてもえもえにゃんにゃん言いながらこれを書いている。ここに所属するメイド、なんと客の方から触ってしまうと体が溶けてしまうそうである。怪奇、溶解人間!である。昔そんな映画あったなぁ。というかさっき不可抗力で手が当たってしまったのだが大丈夫だろうか。心配である。
 さて、昨日ブログ更新がなかったのは何もしなかったからではなく、ケラリーノサンドロビッチ主宰の劇団ナイロン100℃公演「修道女たち」を観劇して感激していたからである。
 その時一回限りのライブならばともかく下北沢本多劇場にて連日絶賛公開中であるし、ネット上に感想は溢れかえっている。わざわざ僕が何か書くまでもないだろうと思ったのだ。
 というのは建前。実のところ感想みたいなのは書いてあげようと観劇中メモを取ったりしておいて、一駅離れた世田谷のその日の宿でじっくり書こうと思っていたのだ。
 しかしこの宿、かなり凄いところであった。世田谷駅から歩いて数分にある「やどかん」という、アパートをそのままホテルに改装して客に提供している所なのだが、一言で言えばボロい。「ALWAYS三丁目の夕日」に出てきそうな、とでもいえばそれなりに伝わるだろうか。そしてここ、壁という壁が障子かという程薄く、更に目の前にはバイパス。車が横切る音が仕切りに飛び交って、大型トラックが通れば軽く地震が起き、そして隣室からは話し声がほぼダイレクト。加えて近隣に茶店もファミレスもない。
 こんなんでものが書けるわけがない。というか寝られるわけがない。連日の疲れがピークに達していた僕は上記の言い訳を自分に言い聞かせて感想を書くのを諦め、眠ることに徹したわけである。結局朝五時に起きたけど。おじいちゃんかよ。
 とそんな感じで田中のじーさんは眠い目をこすりつつ今日11/14日を迎えたわけである。ちなみに今日は上野まで足を伸ばし、東京国際美術館にて「ムンク展」を見てきた。その足で山手線へ秋葉原へいき今に至るわけである。で、今からホテルにチェックインして荷物を置いてカルチャー劇場へ向かう訳だが、長くなりすぎたのでライブレポは分けて書く。
 ちなみに手が当たったメイドさん溶解人間にならなかったようだ。一安心である。
 

11/12渋谷ロフトヘブン春ねむり×松永天馬「KNOCKIN’ ON HEAVEN’S DOOR」に参加してきた

 11/12個人的ライブツアー三日目は所変わって渋谷はロストヘブンである。その前にちょっと今日のハイライト。
 昨日の仙台での怒髪天を見終わった後、その足で夜行バスに飛び乗った僕は新宿バスタに早朝五時半に到着。ふらふらになりながらも辿り着いたネットカフェに五時間パックで入ったものの爆睡し、いつの間にか午後二時。延長料金をしこたま取られつつ渋谷の本日の宿へ。
 そこへ荷物を置き、個人的に贔屓している「peacemaker」というアパレルブランドの直営店に向かう途中、なんと大槻ケンヂに遭遇。握手してもらうというスーパーミラクルを引き当てた。ちなみに直営店は月に二度の定休日だった。それもまたミラクル。


 正直言うとオーケンにエンカウントしただけで今日はもうお腹いっぱいな気がしないでもないが、本日19:30からは渋谷ロストヘブンで春ねむりと松永天馬のツーマンライブ「KNOCKIN’ ON HEAVEN’S DOOR」である。


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 松永天馬といえば言わずと知れたアーバンギャルドのボーカル。で、春ねむりとは誰か。正直僕も知らない。下記が彼女の詳細である。


春ねむりオフィシャルサイト「ねむいっす.com」
http://xn--n8jzb3a1b4f.com


 で、二人の対談記事。僕はこれを呼んで今日のライブに行くことを決意した。


 「松永天馬×春ねむり-この世で一番美しいディストピア-」
https://www.google.co.jp/url?sa=t&source=web&rct=j&url=https://rooftop.cc/interview/181106134915.php&ved=2ahUKEwib3Y2j0M7eAhUKWLwKHSt_A5kQFjABegQIBxAB&usg=AOvVaw15ORf7Hu3L5ubL6OXFnTq6


 現在時刻は19:20。ロストヘブン内はこれからディストピアになるとはとても思えない和やかな空気と優雅なジャズが流れている。

 


 19:30頃に青く薄暗い照明の中現れた春ねむり。シンセサイザー一人を従えての登場。BGMと共に詩を朗読し始める。どんどん大きくなるBGMと共に激しく荒々しくなっていく詩。そしてそのまま一曲目の「春と修羅」。その華奢な体から想像もつかない程の声量とシャウト。デスボに近い叫びをあげる箇所もあった。
 そして二曲目は「東京」、三曲目 「とりこぼされた街から愛をこめて」、四曲目「夜泳いでた」と続く。全部初めて聞く曲だ。
 先程言ったようなデスボ等のハードロック、というかヘビメタを思わせるような荒々しい箇所を交えつつも全体で見ればとても繊細、というような印象を受けた。バックに流れる映像も相まってもの凄く引き込まれる。
 その後少しMC。
「私歌ってるときちょっと怖いと思うんですけど、一生懸命やってるだけなんです」
「次の曲は自分が人間としてクソだった時の曲です」
 MCで前置きしてから五曲目に「ナインティーン」、そして六曲目「ラストプラネット」と続く。
 そして続いて七曲目に「せかいをとりかえしておくれ」。この曲は事前にyoutubeで聞いていたので知っていたのだが、さわりのところを歌っただけでストップ。
「今からせかいをとりかえしておくれって曲やるんですけど、いつもサビのところお客さんに歌ってもらってるんですね。で今日スタンディングじゃないんですけど……座った状態でも歌ってもらえますか。あーあー言うだけで簡単なんで」
 ロフトヘブンならではの問題である。ここでは後方が見えなくなってしまうのでスタンディングができないのである。
 しかしそう前置きして始まった七曲目はかなり盛り上がった。ラスサビのところで春ねむりは客席に降りて全体を一周して回った。ステージに戻るときに横のスピーカーにぶつかった気がしたのだが大丈夫だっただろうか。
 八曲目は「ロックンロールは死なない」、そしてラストに「kick in the world」を歌い、大歓声の中20:20頃にパフォーマンスを終えた。


 そして20:30。ピアノにアーバンギャルドのおおくぼけいを迎え、ステージにではなく客席から登場した松永天馬。「キスマーク/唇」の朗読をしながらステージへ登った。そしてそのまま流れるように一曲目の「ポルノグラファー」へ。
 今日の衣装はスーツだったがよく見ると白いワイシャツが血で赤く染まっている。そしてネクタイには「SEX IS HEAVEN」の文字がでかでかとおどっている。
 そして二曲目は「Blood seaman and death」。松永天馬のソロアルバム「松永天馬」の一曲目である。
 歌い終わると開口一番に、
「皆様、ご来場まことに……ご愁傷さまです」
 と頭を下げる松永天馬。それから先程春ねむりも話題にした、ロフトヘブンでスタンディングできない問題をあげると、
「スタンディングしたいけどできない。そこで私から提案なんですけども、この座った状態で腰を五センチくらい上げたらどうでしょうか」
 と笑いを取った。
 そして三曲目は「プレイメイト」。四曲目に「てまきゅん愛してる」。この曲では客席を練り歩きながら歌った。客席を歩いてそのままバーカウンターでラムコークを頼んで大爆笑。
 それから映画公開のお知らせがあった。一週間後に公開予定の「松永天馬殺人事件」。なんと未だ製作中だそうである。大丈夫なのか。そしてなんと五曲目に映画の主題歌を歌い、それをレコーディングして使うという。貴重な場面に立ち会ってしまった。
 そしてレコーディングが終わると六曲目に「僕らの7日間恋愛」。ラストは「体と歌だけの関係」。客席に行ったり「歌だけが残る」という歌詞を全員で合唱したり、最後には「マイクなんていらない!」とマイク無しで歌いだしたりとやりたい放題。それでも大歓声の中松永天馬とおおくぼけいはステージを降りた。


 それから程なくアンコールで再び現れた松永天馬。今度はサングラスをかけている。
「アンコールをさせてゴメンね」
 と言い、歌ったのは「ラブハラスメント」。曲の途中で春ねむりが再登場し、松永天馬とコラボ。大歓声を受けて今日のライブは終了となった。

 


まとめ
 アーバンギャルドのライトなファンで松永天馬のソロライブでも楽しめるかなとも思ったが蓋を開けてみれば松永天馬はいつも通り面白いし曲もいいし、そして何より春ねむりが予想以上に良かった。
 ヒップホップの体をなしていながらもしっかりロックで且つポエトリー。聞いてて痺れた。
 そして僕個人の話をするとツアーも三日目でようやっと折返し。多少疲れが出てきたような気がしないでもないがもうちょっと頑張ろう。
 


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 CD買ったらサイン貰えた。

11/11仙台Rensa怒髪天「夷曲一揆」ツアーに参加してきた

  ポッキーの日だったりベースの日だったり麺の日だったりする今日11/11は個人的ライブツアー二日目である。あ、友人Y誕生日おめでとう。
 昨日のSTARMARIEの熱いライブを見終わった後にネットカフェに宿泊した僕は、右隣のいびき、左隣の歯ぎしり等に耳をふさぎながらもなんとか約三時間程の睡眠をかちとり、朝から松島観光等に勤しみつつ現在時刻は16:40。地下鉄南北線に揺られながらこれを書いている。ちなみに本日仙台Rensaで行われる怒髪天のライブ開演時刻は16:30。完全に遅刻である。
 やはり最後温泉に行ったのがまずかった。「芭蕉の湯」なる松島市街地から少し離れた銭湯に昼頃行ったのだが、源泉かけ流しの湯に岩盤浴でほっこりぽかぽかいい塩梅になってしまい、その状態で天丼なんかを貪っていたならば突如始まるアイドルのライブ。この「芭蕉の湯」がどうもオープン一周年記念らしく、「伊達女魂」というアイドルユニットを呼んでのイベントがあったそうなのである。その天使のような歌声を聞いていたならばなんだかこう、ウトウトときてしまい……で、今に至るわけである。
 
 前置きがだいぶ長くなってしまった。


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 現在時刻は17:20。なんとか開演時間には間に合った。開場から開演時刻がたっぷり一時間と長かったのが功を奏した。会場の「Rensa」はなんと複合型ショッピングモールが入ったビルの七階に位置するハコで、キャパはおよそ400から500。当日券が出ているそうだが、この窮屈具合を見るにほぼほぼ満員御礼といったところだろうか。
 僕が会場後方を陣取ったところでちょうど客電が落ちた。 時刻ピッタリである。

 


 まず始めにメンバーが登場して、それから増子兄ぃ。櫛で髪をとかしながら登場するいつものパフォーマンスである。登場の歓声そのままに一曲目は「裸武士」。ニューアルバム「夷曲一揆」の一曲目を飾る曲である。ニューアルバム発売からそこそこ時間も経ち、演者観客共に曲の盛り上げ方のり方のらせ方をこころえている印象を受けた。
 そして「いくぜ仙台!!」と増子兄ぃが叫ぶと、二曲目に「北風に吼えろ!」を披露。一曲目からの流れを継ぐノリのいいナンバーである。
 三曲目は「酒燃料爆進曲」。これは個人的に歌詞が好きである。「グッといけー!」で会場全体でグラスを傾けるジェスチャーは定番である。「朝焼け胸やけやけに染みた 仙台の夜」と歌詞を変えて歌うのも実にらしい演出である。
 そしてそこから「デッドストイックブルーズ」、「生きててイイですか?」、「人間バンザイ」と比較的明るい曲が続く。「人間バンザイ」で観客のバンザイする手のひらが無数に揺れる様は後ろから見てて圧巻だった。
 六曲を歌ったところでMC。今宵も増子兄ぃの饒舌な舌が回る回る。個人的に夏に山形で見た際は五十分のステージで曲数も少なくMCも巻きだったのだが、今回は無駄な、と言ってしまえば聞き覚えは悪いが、いろんな話を聞けた。
「これだけははっきりさせておきたいんだけどよ……。誰だ楽屋のトイレのウォシュレット最強にしたやつ!!」
 のくだりは爆笑だった。
 
 そして七曲目は「ゴミ集積所の破落戸」。そこから「むしけらブンブン」、「1999GT-O」と新旧織り交ぜたセトリ。徐々に曲の勢いが増していっている気がする。
 
「生きていると嫌なことがたくさんある。それは大人になればなんとかなるんだって思ってた。でも、そうじゃなかった。そんな人生の真理に対抗して今夜帰るときここから駅まで皆でハイハイして帰りましょう」
「人生はもっとシンプルに考えればいいんじゃない!?」
 
 とこんな感じのことを増子兄ぃが言って十曲目は「シンプルマン」。文字通りシンプルなこの曲のサビの「シンプルに 生きるだけ」の部分は場内全員での大合唱だった。
 そして十一曲目は「YOI・YOI・YOI」と、三曲連続ニューアルバムを披露した次の十二曲目が「食うために働いて生きるために歌え」と往年の名曲。僕も怒髪天楽曲の中で一、二を争うほど好きな曲である。ラスサビ前の全員での大合唱でなぜだか涙腺がうるんでしまった。
「人生生きてて何もいいことがない。いつだってハズレくじばっかりだ。そう思っていた時、はっと見つけた心理を歌にしました」
 と前置きして十三曲目はニューアルバムから「初めての旅につき」。
 人生は一度きり。それは裏返せば誰もが人生を初めて旅をしているということだ。だから、
「初めての旅につき ご迷惑おかけ致します どうかひとつお手柔らかに」
 
 十四曲目は「サンセットマン」。ブルージーなバラードのナンバー。 十五曲目はニューアルバムから「春、風船」。この辺からちょっと増子兄ぃが疲れてきたように見えた。
 そして「美しき誤解」、「クソッタレのテーマ」と立て続けに演奏したところで増子兄ぃが倒れ込むようにドラムのお立ち台のところへ。大丈夫だろうか。しかし数秒の後に再び立ち上がった増子は十八曲目に「孤独くらぶ」少し苦しそうにしながらも熱唱。
 その後のMCで、
「歌って死ぬなんてそんなバカなことないって、思うんだけど……。ただこうやってライブで歌ってると、こう……なっちゃうんだよね」
 と自虐気味に笑いを取った。怒髪天は昨日も秋田でライブをやっているのだ。やはり二日連続は堪えたのだろう。それでも最後まで歌いきるのは流石である。
 そして十九曲目に「セイノワ」。サビでピースサインを掲げながらの大合唱は最早お馴染みの光景である。そして二十曲目は「HONKAI」。ニューアルバム屈指のキラーチューンに場内は大歓声。そしてアンコール前ラストは「希望丸より愛をこめて」。歌い終わると増子兄ぃは、ありがとうありがとう、と観客に繰り返し叫びながら一旦ステージを去った。


 そしてアンコール。再びありがとうと叫びながら現れた増子兄ぃ。
「アンコールの時、楽屋で俺達ぐったりしてるって思ってるでしょ?君たちの予想の五倍は俺らぐったりしてるからね。舌だしてこんなハァハァハァ…って」
 と変顔で場内大爆笑。
「じゃあもうちょっとだけやらせてもらいます!」
 と叫んで、アンコール一曲目は「歩き続ける限り」。個人的に一番好きな曲。ラスサビ前に楽器の音を止めて観客だけで歌うところはまるで場内がひとつになったような一体感があった。
 そしてラストは「雪割り桜」。先程倒れ込んだのが嘘のように熱唱する増子兄ぃとそれに応えるように歓声をあげる場内。あの瞬間怒髪天メンバーを含めた場内の全てが一つになったかのような一体感があった。
 歌い終わってメンバーが去っても名残惜しそうにステージに一人残る増子兄ぃは。柵に足をかけて観客とハイタッチして回ったりした後、「生きて、生きてまた会おう!」と言い残して去っていった。

 


まとめ
 個人的ツアー二日目。怒髪天のライブは演者観客双方が全力投球のライブであった。お陰で精魂尽き果てた僕はこのレポートを翌日に書いている。
 体力的には尽き果ててしまったものの、しかし精神的に得たパワーは図りしれない。


 ツアーはまだまだ序盤。明日は東京へ移動である。
 
 

11/10STARMARIE全国ツアー「Rise to Stardom」仙台公演に参加してきた


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 11/10はSTARMARIEの全国ツアー初日というめでたい日であるが、同時に僕の個人的ライブツアー初日でもある。この日を境に仙台東京合わせて5公演を5日でまわるという超ハードスケジュールなのである。ここ数日に限って僕はSTARMARIEより忙しい身であると言えるだろう。で、初日は仙台はライブハウス「enn2nd」である。
 タワーレコード仙台パルコ店内にて行われたミニライブを終え、僕は今enn2ndの前にいる。
 現在時刻は17:20。列整理が終わり入場待ちである。17:30頃入場が始まると係員に誘導され地下へ。キャパに対して観客は若干少なめといったところか。


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 しかし本全国ツアーのタイトルは「Rise to stardom」である。彼女達がスターダムを駆け上がる 第一歩目としてはまずまずといったところではないだろうか。
 ここからツアーファイナルに向けて彼女らはスターダムを駆け上がることができるのか。そして仕事を終えてからやって来るというスタマリ山形支部員二名は終演までに間に合うのか。


 若干の不安を孕みつつ、18:07にステージの照明が落とされた。
  そして暗闇の中に響く重低音のBGM。「Rise to Stardam」というささやき声がいくつも重なってピタリと止むと、メンバーが一人ずつ登場。

 

 五人揃って照明が灯ると、一曲目に「僕と少女霊媒師たち」。先程のリリイベでもやった曲だったが、タワレコよりずっと広いステージでメンバーが伸び伸びとダンスをしているように見えた。
 それはマリスト諸氏も同じのようで、中央前方付近から熱のこもったコールがあがる。
 ツアー初日を素晴らしいものにしようと、演者、観客双方がその盛り上がりをフィードバックしあっているかのようである。   
 二曲目は「星を翔けるパイロット」。そして「モグラミステリーツアー」と続く。個人的にモグラミステリーツアーはライブで初聞き。楽しい曲である。
 三曲目が終わったところで一旦メンバーがはけ、照明が落とされた。そして開演時と同様の重低音。このままいつものモノローグにいくと思ったのだが今回はなんもなし。照明が灯り、改めてメンバーが登壇。「本田教授のダイイングメッセージ」、「かけおちしようよ」と続く。
 六曲目は「三星レストランポールからの招待状」。先日のカルチャー劇場での狂気的なイメージがふとよぎる。そして七曲目は「悪魔、はじめます」。こちらも先程のリリイベでやった曲である。やはり広い会場だと演者観客双方が伸び伸びとライブを楽しめるようである。
 八曲目は「恋するボーカロイド」、なのだが曲に入る前に何故かダンスを観客に強要するパフォーマンスが。楽しい。この曲もまたライブでは初聞きだったのだが、恒例イベントなのだろうか?
 そして九曲目に「メクルメク勇気」。もにゃちゃんが「ライブ後半まだまだ楽しんでいきましょー!」と叫んでいたのが印象的だった。そして十曲目に「名もなき星のマイホーム」。のんちゃんのソロパートがめっちゃ声出てた。圧巻。
 そして十一曲目は「きれいなレオナの肖像画」と明るい曲が続く。
 そしてメンバーがはけると再び照明が落ちて重低音。考えればここまでMC、モノローグがない。今までにない演出である。
 十二曲目は「ブレアと科学者の功罪」、そして十三曲目は「ドントルッキンフォーミー」。
 先程の明るい曲と比べて切ない曲が続く。
 「ドントルッキン」ラスサビ前のかえちゃんと、ひいちゃん改めふうちゃんのパートにハモリが追加されてたような。気のせいだったらごめんなさい。
 十四曲目はなんと新曲披露。「君と一人、月夜に歌う」切ないメロディーにのせた儚い詩の曲である。
「孤独をわけてくれないか 一人じゃ生きていけない」
「さよなら 最後のときなら大好きな君のそばで」


 新曲の切ないメロディーに酔いしれた後は「賢者のローブ」、「ステラとスバル宇宙のラブストーリー」と似た曲調、というか雰囲気の曲が続く。
 そしてアンコール前ラストの十七曲目は「屋上から見える銀河君も見た景色」。
 曲が終わるとメンバーの五人は中央に並んで整列。一礼をしてステージ脇へと去っていった。いつもはここでMCが入るのだが……。これまた新たな演出である。
 アンコールで再び現れた五人は「ホシノテレカ」、そして「星の旅人明日もし世界がなくなるなら」を立て続けに披露し、そしてラストは「ママは天才ギタリスト」。十二曲目辺りからの流れをぶった切る超ノリノリ曲である。マリスト諸氏もここぞとばかりにコールを叫ぶ。メンバーもハードロックを彷彿とさせる、折りたたみや(エア)ギターソロ
を交えたダンスを披露。この曲だけロックバンドのライブのようである。
 そして大盛り上がりの中ライブは終了。振り返ってみればMC、モノローグほぼ無しの二十曲ぶっ続けという非常に濃い内容のライブであった。見ているこっちまで疲れてしまった。

 


 
まとめ
 今回の全国ツアー初日のライブで特筆すべき点はやはり新たな演出だろう。MC、モノローグほぼ無しのSTARMARIEの世界観でガッチガチに固められた今回のライブ。果たしてこの演出が既存のマリストに受け入れられるか否か。そして新たな客層を引き入れられるか否か。
 少なくとも今回のライブだけを見て見るならば前者に関しては肯定的な意見が多いようである。後者に関しては……既にズブズブのマリストたる僕からは何も言えない。
 ただそんなズブズブのマリストから言わせてもらうならば、彼女らのパフォーマンスはきっと大衆に受け入れられる。後はいかにそれを多くの人の目に触れられるか、それが即ち彼女らがスターダムを駆け上がれるか否かに繋がっていると僕は思ってならない。
 もっと彼女らが多くの人の目に触れられる機会に恵まれることを祈りつつ今回は筆を置かせてもらう。
 最後にこのレポートをライブ本編に間に合わなかった山形支部員おもちさんに捧ぐ。合掌。
 

ブログと小説と弾き語りの秋

 最近自分の趣味嗜好がおかしな方向に捻じ曲がっているのを感じる。
 僕は元々ただのサブカルオタクである。それがちょっとした気まぐれで守備範囲外のアイドルの現場に潜入してみたならばものの見事にドハマり。そこで書いたライブレポートがそこそこ注目を浴びたことに味をしめ、多種多様なライブに潜入してはそこで得た発見や驚きをしたためる生活を続けている訳だが、最近そればかりでは飽きたらなくなってきた。
 まず、ギターを買った。リサイクルショップで五千円だった黒いアコギ。元々ネタとして購入したものだったのが、コード譜を見ながら適当にベンベケ弾いているうちにちょっとしたコード弾きぐらいはできるようになってきた。ネットにあがっているコード譜を中心に、弾き語りしたものを録画してツイッターにあげたりしている。
 そして小説を一本書いた。七千字程の短編小説で、題名は「ドントルッキンフォーミー」。上記の僕がドハマりしたアイドルグループ「STARMARIE」の同名楽曲からインスピレーションを得、ファーストインパクトもそのままにファミレスに一日籠もって初稿を書き上げたものである。 そこから少し推敲を加え、現在「カクヨム」にて公開中。正直あまり読まれてない。
 ブログ、ギター、小説。我ながらなんだコイツである。更に救いようがないのは、絵を書けたらもっと表現の幅が広がるのではないかとか、ゲーム実況をやったら面白そうとか、バンドを組んでみたい、なんてことをグルグルグルグル、無限ループで考えているのである。自分でも自分がどこに不時着するのか分かったものではない。
 とはいうものの、現状一番やっていて楽しいのはギターである。楽しい、というよりかは効率がいいという方がいいかもしれない。
 僕はほぼ毎日、アマゾンプライムビデオでアニメやら映画やらモヤさまやらを鑑賞するのが日課なのだが、それらをみている時分はどうにも手持ち無沙汰というか、他にすることがない。
 そんな時、床に置きっぱにしてあるギターを手にとってベンベケ練習したらば、モヤさま四本分を見終わるくらいの頃には一曲するっと弾けるようになっているのである。
 モヤさまを見た満足感プラスギターの腕の上達。これらを同時に得られてしまうというわけである。これが楽しくないわけがない。
 しかしこのままギターの腕をあげていってどないすんねんとも思う。ブログや小説であればアフィリエイトで稼ぐとか、何かの賞を目指すとか、明確な目標がある。
 では、弾き語りはどうか。そこそこ曲が弾けるようになればその様子を録画してyoutubeやらTwitterやらにあげてはいおわり、である。ミュージシャンになる、というのもあるかもしれないがちょっと現実的とは言い難い。
 何か明確な目標、モチベーション、というものを考えたとき、僕ははたとひらめいた。
 ライブである。
 上記にもあげたが、僕の頭の片隅にはバンドを結成したい願望がある。昔友人ら数人とそんな話で一度盛り上がったのだが、結局自然消滅してしまったのだ。
 しかし弾き語りならば自分一人でステージに上がることが可能である。ライブハウスでは素人参加型の企画というのもやっているらしいし、恐らくステージにあがるだけなら一本の電話と幾ばくかの参加費用があれば十分なのである。

 が、それだけで気軽にステージに上がれるもんでもないということは重々承知である。
 まず、僕は人前に出て話すということが至極苦手である。人と何か話そうとしても頭真っ白顔面真っ赤、口をパクパク鯉のように動かすだけなんてことが結構な頻度である。アイドルの握手会とか。
 それにそもそも演奏に関してもかなりの穴がある。一曲だけ弾くのならばともかく、連続で曲を弾くと左手がつりそうになるほど痛いし、声も出なくなってくる。
 これらに関してはもう練習あるのみである。


 僕の酷すぎる顔面に関してはもう諦める他ないか。

大森靖子「クソカワPARTYツアー」仙台公演に行ってきた

「音楽で人を救うことはできません。この前自殺配信をした中学生は私のファンでした。私の音楽は祈りです」


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 平成最後の夏、ロッキンジャパンに登場した大森靖子のこのMCは様々な波紋をよんだ。
 音楽で人を救うことはできない。僕も同意見だ。確かに自分が苦しいと思うとき、辛いと思うとき、音楽はその傷ついた心に寄り添い、癒やしてくれる。
 でも、それが限界だ。その癒やした心でもって自分がどう行動を起こすか、何をするか、それらは全て自分にかかっている。
 人の一生において重要なのはその行動のみであり、誰からも、例え自分の心に寄り添ってくれたアーティストでさえも、その人の行動を左右させることはできない。
 故に、彼女は祈る。子供にも、大人にも、イケメンにも、ブサイクにも、おっさんにも、おばさんにも、オタクにも、リア充にも、喪女にも、童貞にも。
 自分らしくあってほしいと。可愛くあってほしいと。幸せであってほしいと。
 


 僕はかねてから彼女の楽曲はCDを買ったりyoutubeで聞いていたりしている。他にもブログ、Twitterアカウント等もチェックしているし、地上波に出演しようものならその三時間前からテレビの前で全裸待機する程彼女のファンである。最後のは嘘である。
 が、しかし。彼女を生で見るのはなんだかんだで本日行われる「クソカワPARTYツアー仙台公演」が初めてだ。
 そんなのでファンを名乗っていいのかと大森靖子おまいつ諸氏からツッコミの諸手があがること請け合いだろうし、冒頭の時点で既にコメント欄には批判中傷罵詈雑言の嵐かも分からない。
 だがしかし。誰が何と言おうと僕は彼女のファンである。故に山形から遠路はるばる車で一時間かけてここ仙台までやってきたわけである。近い。
 
 現在時刻は18:00。僕は今会場の仙台dawin前にいる。僕の整理番号から察するに観客数は300前後といったところか。

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 入場するとステージには赤と青の照明。中央には鎌と、今回のアルバム「クソカワPARTY」のジャケットを彷彿させるセットである。

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 ちなみに下のモコモコした白いやつはマスコットのナナちゃんである。かわいい。


 19:00。SEに合わせて登場した大森靖子。前髪を上げた髪型に「クソカワPARTY」のジャケットと同じく黒い死神を彷彿させる衣装である。
 会場は大歓声。それに応えるように手を振る大森靖子
 そして一曲目に……。と、実はこのクソカワPARTYツアー、なんとセトリのネタバレ禁止なのである。故にこの今回の記事、ライブレポートでありながらライブをレポートできないという事態に陥っているのである。
 じゃあツアー終わるまで投稿待っとけよというご意見はごもっともである。しかしライブが終わったその日その夜にレポートを投稿し、ライブに行きたかった人、行けなかった人になるたけリアルタイムな一体感を届けるのが本ブログの流儀である。
 というわけでセトリの具体的な曲名等は伏せておおまかにライブを振り返る。
 セトリはやはり「クソカワPARTY」中心で組まれていた。しかしその合間合間に往年の名曲が組まれており、素人にも玄人にも大満足のセトリであった。
 個人的に三曲目のあの曲が聞けたのがよかったなぁ。
 MCは大体三、四曲に一回くらい。時間こそ短いのだが大森靖子の舌が回る回る。マシンガントークを繰り広げるのだが、しかしその一つ一つの言の葉にしっかりと力みたいなものが感じられた。まさにマシンガン。
 その勢いに任せてうっかり、というか故意に、まだ出していない情報も出してしまう場面もあった。スタッフからガチのバツが出され、
「今のツイートしないで下さいねーー!」
 とあたふたする彼女に場内大爆笑。


 六曲目終わりのMCではナナちゃんが登場。……って喋った!?一瞬大森靖子が腹話術でやっているのかと思ったがドラムのピエール中野が喋っているようである。声がオーケンのボースカっぽい。
 そして先程入場の時にもいた「ゆるナナちゃん」がステージに登場。で、ナナちゃんと一緒に七曲目に……。って言えないんだった。

 
 
 「クソカワPARTY」リード曲「死神」はかなり終盤の方でやった(流石にこれくらい言っていいよね)。弾き語りのライブバージョンは聞いたことがあったが、バンドサウンドでも圧巻であった。
「川は海へ溢れる 人は死へと流れる もうやり尽くしたかって西日が責めてくる」
 震えて、それでも力強い歌声で叫ぶ「死神」のサビが僕はとても好きだ。
 川の水が一方向に向かって流れていくその様子を、真っ直ぐ死に向かって生きる僕たち人間に当てはめる。
 川の水が海へ流れるのを拒むことができないように、我々もまた、死から逃れることはできない。
 僕は幸いにも、親類友人その他知り合いに鬼籍に入ったものはない。しかしあのサビを聞いた時、今まで亡くなった著名人やニュースで又聞きしただけの死亡者、美しく死んでいった何かの物語の登場人物。そんな者達のイメージがぶわーっと頭を巡った。
 そしてそんなイメージの先に、自分が死ぬイメージが浮かんだ。何もなければあと五十年以上は続くこの生、その間に僕には一体何ができるのだろうか。
 ステージから漏れる眩い照明を浴びながら僕はそんなことを思った。


 アンコールでは二曲ほど歌った。二曲目の後、今日演奏を担当したメンバーを紹介。そして改めて今日来てくれた観客に感謝を述べた。
「今日来ることを選んでくれてありがとう」
 
 で、終わりと思ったのだが、というかもう出口に向かって数歩歩きだしてしまっていたのだが、その後にもう一度大森靖子登場。カラオケで一曲歌い、本当の本当に本日のライブは終わった。


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まとめ


 圧巻のステージ。大森靖子の歌唱技術は本当に凄い。
 常々思うのだが、音楽を聞くものの中に「好きなアーティストはいて、CDも何枚か持っている。でもライブは行ったことない」という人がいる。割れ厨は論外。
 断言させてもらうが、イヤホン、或いはスピーカーから聞く音楽と、ライブハウスで生で聞く音楽は全くの別物である。ライブ音源のCDならいいのか、とかそういう問題ではない。
 アーティストと直接対面して、直に言葉を受け取り、そしてそれを多くの人と共有する。そのことに意味があるのだ。
 もし大森靖子ファンの読者の中で、いや、何のファンであれ、上記に当て嵌まる者がいるのなら、悪いことは言わない。すぐにライブへ行くべきである。西日に後悔を覚える前に。