片田舎から哀をこめて

野山を駆け回る程の自然もなく、天を貫くようなビル群もない。中途半端な片田舎からお送りします

8/11STARMARIE FANTASYCIRCUS第五幕「化けビトたちの音楽会」に参加してきた

 8月11日。この日はかねてより待ち望んでいたSTARMARIEの劇場型コンサート「化けビトたちの音楽会」が行われる日である。会場となるのは有楽町にあるヒューリックホール東京。開演時間は15時。いつもよりかなり早めの時間に勘違いした筆者は15時ピッタリに現場到着というミスをやらかしてしまったが、幸いにも少し時間がおしていたようである。実際の開演時間は15時10分頃となった。
 


 はじめにモノローグ。そして少し前に公開されたスポット映像のフルバージョン。スタマリメンバーが化けビトに変身する映像である。
 その映像を背にバックバンドの3人が登場。ペスト医師のマスクを被っている。続いてスタマリメンバー。角の生えた黒い衣装だ。
 本日の公演を構成する全メンバーが出揃ったところで一曲目は「化けビトたちの音楽会」。スポット映像などでちらほら出てはいたがフルバージョンでは今日が初お披露目の曲である。妖しい雰囲気が最高な曲だ。配信はよ。


 曲が終わるとスクリーンに本公演のタイトル「化けビトたちの音楽会」が現れる。その細部を文章化はできないが、これ以降、映像の細部までのこだわりが本当に凄い。DVD化された際には是非じっくり見ていただきたい。
 そしてそこから「君は死が与えられ僕は生きろと命じられた」、「惑星を翔けるパイロット」とたて続けに二曲。共に死による別れを描いた曲である。


 二曲歌ったところで暗転。スクリーンにモノローグがあらわれる。

 


 "ここはどこ? ここは音のない世界"
 
 "君は何かに導かれたことはあるかい?"


 "運命に抗ったことはあるかい?"


 "ようこそ 音のない世界へ"


 ここでスクリーンにどこかの古い劇場が現れる。
と事前に公開されたキービジュアルに映る指揮者の姿が男性の低い声でモノローグは続く。


 "ここは昔人気だった劇場 しかし今は寂れた場所になってしまった"


 "全てアイツらの手によって"


 "アイツらは音を嫌う アイツらは音を出すものをとらえる”


 "私はここでコンサートを開く もう一度音のある世界をとりもどすために"


 "そしてコンサート当日 人々は劇場に向かって歩き出す"


 "ようこそ音のある世界へ 私はタクトを振り始めた"


 "ここに集まった美しき化けビトたちのために"


 "IT'S SHOW TIME!! "


 ここでキービジュアルがスクリーンに現れる。サブリミナル効果というやつだろうか。事前にすりこまれていただけにこの時びっくりするくらい鳥肌がたった。


 そして再びメンバー登場。「幽霊たちのシークレットシアター」(新曲)(配信はよ)、「僕と少女霊媒師たち」、「サーカスを殺したのは誰だ」と激しくも妖しいナンバーをたて続けに三曲披露し再びモノローグ。


 ”美しき化けビトたちよ 覚悟はできているか”


 ”私達は音を奪われ自由を奪われた”


 ”ならばこの命が尽きるまでコンサートを続けよう”


 暗闇の中スクリーンに星の映像。長く続いたピアノの伴奏は「屋上から見える銀河君も見た景色」のイントロへと変わった。また鳥肌。最近再録された「屋上〜」のアコーステックなバラードバージョンである。間奏のベース最高。
 そして続けて「キミとヒトリ月夜に歌う」こちらもアコーステックアレンジ。メンバー五人が円になって歌う様は神秘的である。
 そして「ホシノテレカ」、「ドントルッキンフォーミー」とスタマリの泣き曲が続く。「ホシノテレカ」ももちろんバラードバージョンだったが「ドントルッキンフォーミー」がテクノっぽいアレンジだった。このバージョンもいい。ドントルッキンフォーミーの演奏を松崎博香が腕を振って止めると(可愛い)急にサイレンの音が鳴り響いた。


 ”プログラムはあと少し”


 ”しかしやつらに見つかってしまったらしい”


 ”劇場が包囲されている”


 ”アイツらがすぐそこまで来ている”


 ”コンサートを続けよう”
 
 
 十二曲目は「モグラミステリーツアー」。ファンからカルト的人気を誇る曲である。間奏ののんちゃんのダンス好き。そして十三曲目「スペルオブザブック」。十四曲目の「Fantasy World for you」演奏中に事件は起こった。ラスサビ前あたりで演奏が止まったのだ。トラブルではなく演出らしい。


 ”夢は音楽家です”


 そして十五曲目は「きこえない」(新曲)(マジで配信はよ)。打って変わって落ち着いた曲調の曲である。その二番の歌詞に以下の内容があった。


「生まれたときから私は耳が聞こえない」


 この時筆者はようやくこの物語に合点が行った。この物語は一人の少女の物語だったのである。
 生まれつき耳が聞こえない、つまり音のない世界で彼女が抱いた夢。”音楽家になりたい”。しかし耳の聞こえない彼女にとってその夢は無謀である。そんな現実こそが冒頭から再三出てきた”アイツら”であり、彼女の音楽家になりたい夢こそが指揮者なのである。アイツらと指揮者と音のない世界を巡る攻防は、一人の少女が夢と現実の狭間で揺れ動く葛藤を描いていたというわけである(解釈あってるかな)。
 そしてもう一度サイレンが鳴り響く。


 ”どうやらここまでのようです”


 ”残された時間は残りわずか”

 

 

 


 ”鎖から己の身を引き剥がす”


 ”自由と引き換えの痛み”


 ”それでも私は音楽を奏で続ける”


 そして「Fantasy World for you」の先程途切れた部分から。
 
 ”これしかない!って言える
 そんな夢があるか
 傍観者よそれがどう映るかに興味はない
 幸せの基準勝手に決めないで
 大事にしたいこの時代走り抜いていけ”
 


 そして新曲「ホーム・ジ・アンセム」(配信ry)を挟んで再びモノローグ。


 ”戻れ!”


 ”戻れない”


 ”いや、戻らない”


 その後、銃声が鳴り響いた。急な出来事に驚いていると銃声に合わせてまるでその銃で撃たれたかのようにメンバーが倒れた。


 そして暗転した後もう一度「化けビトたちの音楽会」を披露。最後に、暗闇の中、街の喧騒だけが劇場に響いた。
 そして照明が灯ってエンディング。メンバーが一人一人前に出てお辞儀。全員終わるとそのまま会場を後にし、閉幕。(アンコール等の演出なし)

 


まとめ


 今回の感想を一言で言い表すと、”なんか、すんげえもん見ちまったなぁ。”である。僕がスタマリを初めて見たのが約一年前で、それからちょくちょく色んなアイドルの現場にも足を運んでいるのだが、どのアイドルでだってコールなしMCなしアンコールなしの公演を未だかつて見たことはない。
 それもヒューリックホール東京というSTARMARIEにとって晴れのこの大舞台で。賛否は諸々あるかも分からない。しかし筆者はSTARMARIEがこの攻めの姿勢を貫き続けていく限り彼女たちについていこうと思う。そう思わせてくれる公演だった。


 ラストの演出については少女が音楽家になるため音のある世界ーーつまり、死後の世界へ行った、って解釈でいいんですかね?こう思うっていうのあったらコメントお願いします。

「STARMARIE×吉本興業 うどんを愛しておかわり 初日」に行ってきた感想 ※ネタバレ注意

 


 7/12。この日STARMARIEののんちゃんこと木下望主演の舞台「うどんを愛しておかわり」がアトリエファンファーレ新宿にて開幕する。


f:id:tanadaimonster94:20190713233616j:image


 出演は主演の木下望をはじめ、おなじくSTARMARIEから渡辺楓中根もにゃ、また吉本興業の芸人からウエスP西村ヒロチョ、いしはしジャスタウェイ等が出演。また本日は日替わりゲストとしてアイドルグループnotallから田崎礼奈が出演するらしい。
 ちなみにこの公演は昨年8月、おなじく木下望主演で行われた「うどんを愛して」をパワーアップさせた続編的な公演であるという。吉本興業の芸人をも巻き込んだ本公演、どんな内容になるか非常に楽しみである。以下あらすじ。


 のんちゃんが経営するうどん屋『のん』。味は確かなのに毎日来る客は借金取りの2人。どうすれば人気が出るのだろうか?そう悩んでいた矢先、のんちゃんの兄だと名乗る男がやってくる!
 お兄ちゃんと一緒にうどん屋を頑張ろうとのんちゃんは決意するのだが、そのお兄ちゃんには秘密が…泥棒が出てきたり、借金取りが暴れたり、うどん屋『のん』は大賑わい!笑いあり、涙あり、ネタあり?のワンシチュエーションコメディ!


 18:30頃に入場が始まり、通されたのはなかなかこじんまりとした劇場。ステージには小さな机が3つ。舞台袖には「のん」と書かれたのれん。どうやらここが物語の舞台になるうどん屋「のん」らしい。開演十分前頃にチケットもぎり役ことひぃちゃんこと松崎博香が登壇。簡単なあらすじと稽古場で撮影した動画を披露した。

 


 そしていよいよ19:00。開演。

 

 

 以下ネタバレ注意。

 

 


 ステージに照明が灯り、まず現れたのは中根もにゃ。続いて渡辺楓。二人はうどん屋「のん」の従業員らしい。二人の掛け合いが面白い。そこに「リーダー」と呼ばれた江里菜が登場。コメディ空間が出来上がっていく。
 そこへもう1人の従業員、関口ふで、そして店長ののんちゃんが登場。客が来ないのをいいことに暴力的なまでのコメディータッチでうどん屋「のん」の日常が描かれていく。そしてそこへ二人の客、西山野園美と麻衣愛が現れる。二人は借金とりの仕事をしているらしい。そしてこの二人が「のん」唯一の常連。うどん屋「のん」のギリギリの経営状況が垣間見える。
 しかしこの日は常連の二人以外に珍しく客が。いしはしジャスタウェイだ。今更だがこの公演は役者名がキャラクター名になっているようである。いしはしジャスタウェイはこの公演においてツッコミ役的ポジションになるらしい。店に入ってうどんを注文するこの間に所狭しとボケが並び立てられ、それをいしはしが一つ一つ丁寧に拾っては捌いていく。そのテンポ間が絶妙である。
 とそうこうしているうちにもう一人の客……と思いきや警察官の西村ひろちょが登場。イケメン。彼のロマンティックギャグでひとしきり場内を沸かすとまたもや客が。ウエスPである。
 筆者は本公演をのんちゃん目当てで見に来たわけだが、実はウエスPにもかなり期待している。Twitterで見た実に見事なテーブルクロス引き芸を生で見れるかと思うと期待に胸がふくらむ。いつ脱ぐんだろう。
 と登場人物が一通り出揃ったところで幕間。いしはしが身分証を警察に見せるくだりで、いしはしがのんちゃんの兄だということが明かされた。


 場面が変わってその翌日のうどん屋「のん」。江里菜と関口ふでが話すシーン。そこでいしはしがのんちゃんの異母兄弟であり、いしはしの母がガンで亡くなったことが明かされる。その事実に(悟空のマネで)感涙する関口ふで。
 そこへ現れたのんちゃんと従業員として雇われたいしはし。兄弟二人手を取り合ってうどん屋を経営していこうと誓う。そこへこの日もやってきた常連の借金とり二人。5000万円を踏み倒された犯人を見つける為疲弊しているという。その話を聞いていつの間にか舞台袖へはけるいしはし。その逃げた犯人の特徴を聞いてみると、


「天パで、眼鏡をかけてて、名前がジャスタウェイとかいう……」


 なんと5000万円を踏み倒したのはのんちゃんの兄、いしはしジャスタウェイだったのである。


 ここでうどん屋「のん」を売りに出して5000万を借金返済にあてるといういしはしの真の目的が明らかになった。借金とりの二人はいしはしを見つけ次第拷問にかけるという。それを聞いた「のん」の従業員はひとまずいしはしを匿うことを決める。そうこうしている内に借金とり二人の「親分」を名乗る人物がこの場にやってくるという。その慌てっぷりに一体どんな人物が現れるのかとビクついていると、そこに現れたのは、


 赤毛のアンみたいな衣装を着たnotall田崎礼奈だった。本日の日替わりゲストである。


 前評判とのギャップに笑いが起こる。というかその端麗な容姿からは考えられない親分口調。クセのある歩き方、どれをとっても面白い。初日のゲストとは思えない圧倒的存在感である。
 その後鼻毛&両津勘吉まゆげで変装し登場したいしはしらも交えてひと悶着もふた悶着もあって舞台がカオス空間に包まれたところで、ついにいしはしが5000万を持ち逃げした犯人とバレてしまう。観念したように借金とり二人に連れて行かれそうになるいしはし。
 しかしそこでウエスPが自分の芸を見せるからいしはしを許してもらえないかと懇願する。冷静に考えるとよく分からない超展開だが、ここでウエスPが昨今全世界で流行中という超話題のテーブルクロス引き芸を披露。が、もちろん5000万円を許してもらえるはずがない。ウエスP
 
 今度こそ観念するいしはし。しかしそれをのんちゃんが引き止め、兄の為ならこのうどん屋を売ってもいいと宣言する。従業員らものんちゃんの兄の為ならばと頷く。場内に流れる感動的なBGM。


「オ”ヴェッエ”ッエ”ッ」


 それを遮る独特すぎる嗚咽。親分こと田崎礼奈が二人の兄弟愛に心打たれたのである。そしてそのままいしはしのことを許すと言った。「のん」従業員は大喜び。


「あ、でも5000万は返してね」


 場内総ズッコケ。しかしこれからうどん屋の売上で少しずつ借金を返していけばそれでいいという。立ち直り、従業員一同再びうどん屋で頑張っていくことを誓い、エンディング。
 

 


 なるべく簡潔にまとめたつもりだったのだが、いかがだっただろうか。一応文章だけでまとめたものの、やはりその魅力を余すことなく伝えることは難しいので、少しでも気になった方は残り三日間(ゆっくりまとめてる内に二日になってしまった。スマヌ)チケットを買って実際に見に行くことを勧める。


 ちなみに筆者が今回一番笑ったのはもにゃちゃんのワンカップを飲むおじさんの真似。あれを見に行くだけでも価値あるぞ。マジで。それと関口ふでさんが全体的にツボ。あとのんちゃん可愛い。
 

 


↓チケットはこちらから。まだギリ間に合うぞ↓
 https://eplus.jp/sf/detail/2997620001
 
 
 


 
 

ドルオタの視点でBABYMETALを見に行った結果(6/29横浜アリーナ BABYMETAL AWAKENS - THE SUN ALSO RISES DAY2に参加してきた)

 BABYMETALって結局アイドルなの?それともメタルバンドなの?



f:id:tanadaimonster94:20190629205114j:image


 約五年程前、音楽界に突如彗星の如く現れ、その名を轟かせたグループに、人々は皆こぞって疑問をぶつけた。日本のカワイイ文化を継承するボーカルとダンサーに、ゴリッゴリにメタルな楽曲。なのに歌詞は可愛くて、なのになのにそれを支えるバックバンドは恐ろしい程に演奏がうまい。
 人は自分の思考の思い至らぬものにぶち当たった際、得てして自分の中の常識に当てはめ理解しようとする生き物である。即ち、冒頭の疑問が湧き上がってくるわけだ。が、今現在。日本よりもむしろ世界を舞台に戦う彼女らにその疑問をぶつけるものはいなくなったように思う。なぜならそれが野暮だからである。アイドルとメタルの融合。それを見事に成し遂げた彼女らは、BABYMETALという一つのジャンルを作り上げることに成功したのである。これは見事というほかない。


 でも実際のところ、どうなんだろう。アイドルとメタル、綺麗に半々なんてことあるんだろうか。


 BABYMETALというグループを作る過程において、やはりどちらかの要素が下敷きになっているはずで、即ちBABYMETALはアイドルメタルか、メタルアイドルかの二択になるはずなのである。今回それをアイドルオタク側たる筆者の視点で見極めていこうと馳せ参じたるは横浜アリーナ。本日ここで行われるBABYMETAL AWAKENS - THE SUN ALSO RISESの二日目に参加するためである。
 二日目ということは前日もここで同ライブが行われていたというわけである。冷静に考えてアリーナで2daysやるとか凄すぎ。筆者はあまりネタバレを好む体質ではないので、一日目のセトリや演出など、極力ライブの情報を見ることのないようここまできたのだが、昨夜、何気なーくツイッターを見ていたらトンデモない情報が飛び込んできた。読者の皆さんもご存知かと思うが、なんとあのモー娘。鞘師里保がサプライズゲストで登場したという。
 あの鞘師里保ってことはあの鞘師里保なわけで、それが一日目に登場したということは今日も登場するかもなわけで、それは筆者が生で鞘師里保を見れるということである。何を今更当たり前のことを、と思うことなかれ。鞘師里保を生で見れることの凄さはここで語ると長くなって趣旨がぶれてしまいそうなので各々検索してほしい。しかしあの伝説のアイドルがゲストということは、開場前から既にアイドル要素側が形成的に有利であるようにも見える。いやなんの勝負だよ。


 現在時刻は15:00。横浜アリーナ前はかなりカオスな空間と化している。このカオス空間をなんと形容しようか。試しに目に付いた人間を手当り次第一人一人書いてみよう。
 子連れの親子(全員コスプレ)、海外メタルおじいちゃん(多分アメリカ)、海外メタルおじいちゃん(多分アジア系)、顔白塗りで神バンドのコスプレしてる人、13日の金曜日のジェイソンのコスプレ(なぜ!?)……等々。挙げていけばキリがない。何より驚くべきはその年齢層の広さだ。下は一桁、上は恐らく60、70近い方々もいる。カオス。
  
  15:30頃から入場がはじまり無事入場。しかしコンビニで発券したチケットからまた更にチケットを発券するシステムとは恐れ入った。当日の空き状況に応じて柔軟に対応できるわけだ。超ハイテクである。筆者がいるのはMOSH'SH'PITのかなり後方のブロック。会場中央には黒い立方体の物体が鎮座ましましている。どんな演出がなされるのだろうか。


 客電が落とされたのは丁度16:30頃。映像がスクリーンに映し出され、白装束の3人が姿を現した。この中の一人が本日BABYMETALのサポートメンバーとして踊るようである。あれ。もしかして鞘師確定じゃない?
 そして舞台中央にあった立方体に映像が映し出されながら……飛んだ!!そんなギミックが!!文章でしか伝えられないのがもどかしい。そしてそのままその立方体はステージ後方までゆっくり後退していった。なんなんだ!あれ!
 そしていよいよSU-METALとMOA-METALの登場。一際大きな歓声があがった。生SU-METAL超可愛い。というか格好いい。なんと言えばいいか、佇まいやその一挙手一投足に凛とした雰囲気を持っている。小さくてよく見えないが。
 えー、こんなもんなのか。なるべく前に詰めたつもりだったが、親指の爪程の大きさでしか見えない。アリーナ公演の欠点である。AKIBAカルチャーズ劇場ならこうはならないのだが。なんて思っていると三人目のサポートメンバーが登場。


 ……誰?


(後にツイッターで調べたところさくら学園の生徒会長、藤平華乃さんという方だったそうです。存じ上げず申し訳ない)


 そして3人が揃ったところで開幕一発目は新曲。タイトル不明だそうだ。いや曲名ださんのかい。公式。昨日のライブで初お披露目され、観客側も多く聞いてて二回目。あまりノリ方に慣れていない雰囲気である。
 二曲目では3人は後方のステージから前方のステージへと移動し、でた!メギツネ!個人的に一番楽しみにしていた曲である。


 デデデデッ↑デデン↓♪それ!!


 デデデデッ↑デデン↓♪それ!!


 こんなに分かりやすく合いの手を入れられる曲というのもそうない。振り付けも簡単とくれば筆者含め数万人の観客が「それ!」のタイミングで飛ぶ。僕はその時確かに横浜アリーナ内において震度1弱程度の地震が起こったのを感じた。
 とこの辺で激しいモッシュが発生しだした。あ、やばい。なんかあっちの方ではもう既に何人かダイブしていらっしゃるし。あ、一人の方が勢い余って柵の外の通路に落ちてる!!ああ!!あっちではサークルモッシュが!!!!


 まだ二曲目でこれだよ。はやいって。


 ちなみに筆者はこの辺で一度サークルモッシュに巻き込まれ右肘を軽く負傷。涙目になりながら後方柵付近に避難した。えれぇとこきちまっただなぁ。となぜか我が愛しの故郷山形の風景が頭を過った。


 以下ダイジェスト。その後もほぼ休み無しで3人はパフォーマンスを続け、観客もまた飛んで回って跳ねた。特筆すべきは九曲目のPA PA YA!!でゲストのタイ人ラッパーF.HEROが登場したことか。去り際に日本語で何か言っていたようにも聞こえたが聞き取れなかった。 その後十曲目のギミチョコ!においては、やはり彼女らの代表曲だからか、盛り上がり方が異常だった。曲の構成もそうだが、やはりあの間奏でのギターソロは素人耳で聞いても凄い。生で聞けてよかった。
 そして続く十一曲目はKARATEだったのだが、少し長めの間奏が始まると、突如として僕の目の前にいた観客達がまるでモーゼの十戒のごとく二つに別れた。


 噂には聞いたことがある。WODというやつである。WOD。War of deathの略で、直訳すれば「死の壁」である。二手に別れた観客はこの後曲調の盛り上がるところで……


 激しくぶつかる!!


 危ね!!!!


 死の壁の名の通り、観客がぶつかり合う地点はマジで危ない。早めに後方に下がっていて正解だったようである。
 しかしこれにてライブにおける危険行為ほぼ全種コンプしたんじゃないだろうか。よもや日本で体験できるとは。これがメタル。これがベビメタ。ひええ。


 ライブはその後もう一曲新曲を挟み(インスト)、THE ONE、Road of Resistanceと、壮大なバラードからの超絶アップテンポ曲を繰り出し幕を閉じた。

 一日目の時点で発表されていたがニューアルバムとそれを引っさげてのワールドツアーが行われるそうである。

 
f:id:tanadaimonster94:20190629205215j:image


 スケジュールエグい。

 


まとめ
 楽しんだり苦しんだりしている内に本題を忘れていた。そうだ。結局ベビメタはアイドルなのかメタルなのかという導入で始まった記事だった。ここであやふやな感じにして、楽しかったー、また行きたーい、じゃダメなのである。
 というわけでここからは一応個人的な見解を記しておく。


 まず結論としてBABYMETALのパフォーマンスだけを見ればそれは完全にアイドルである。そもそもロック、ハードロック、アイドル、テクノ、ラップ、ヒップホップ、なんでもありのごちゃまぜカオス空間こそが現代の音楽なのであって、元々さくら学院というアイドルグループの派生ユニットであるBABYMETALの下敷きになったのはアイドルに決まっているのである。故にBABYMETALはメタル寄りのアイドルであってアイドル寄りのメタルではない、というのが筆者の結論である。
 しかし勘違いしないでほしいのはBABYMETALのハードサウンドは決して紛い物ではないということだ。事実、BABYMETALに心を動かされ、今日横浜アリーナに集った者達は正真正銘のメタラーであった。筆者の右肘の痛みがそれを証明している。
 アイドルでありながらメタルサウンドを追求し、世界中を動かした彼女らと、そのスタッフの方々は本当に凄いとしかいいようがない。


 といったところで筆者は明日中野サンプラザ筋肉少女帯のライブを見に行かなければならないので右肘に湿布を張って寝る。お疲れ様でした。
 

 

BABYMETAL AWAKENS - THE SUN ALSO RISES -セトリ
6月29日(土) 横浜アリーナ
01:新曲
02:メギツネ
03:Elevator Girl
04:Distortion
05:新曲
06:Starlight
07:シンコペーション
08:ヤバッ!
09:PA PA YA!!
10:ギミチョコ!!
11:新曲(Instrumental)
12:KARATE
13:THE ONE
14:Road of Resistance

5/21下北沢GARDEN STARMARIE 木下望生誕祭に参加してきた

 5/21、本日はSTARMARIEののんちゃんこと木下望の誕生日である。おめでとう!!それを記念し本日下北沢にて木下望生誕祭と題されたライブが行われるとのこと。これに参加しない手はない。
 開場となる下北沢GARDENは下北沢駅すぐ近くに居を構えるライブハウスで、駅から歩いて数分もすると、同じくのんちゃんの誕生日を祝わんとする同士諸君の姿が。多い。やはりのんちゃんの持つアイドル的カリスマ性に惹かれる者は多いらしく、体感でいつものライブより一、二割程度参加人数が多い気がする。
 入場が開始されたのは予定時刻よりも若干はやい18:15頃。FC会員の入場後地下へと続く階段を下っていくと、レンガ造りを模したそこそこ広めのライブハウスが。前方5列程には椅子席、それより後方はスタンディング席となっているようである。筆者は三列目の椅子席へ。かなり遅い入場ながらなかなかの良ポジション。スタンディングに回る人が多いらしい。



f:id:tanadaimonster94:20190521221930j:image


f:id:tanadaimonster94:20190521221949j:image



 バーカウンターにはフラワーブーケとメッセージカード受付が。

 


 場内にはスタマリ楽曲のカラオケが流れている。そのカラオケが止まり、照明が落ちたのは予定より五分ほど遅れた19:05頃。
「ファンタジーワールドへようこそ」とアナウンスが流れる。最近スタマリのライブに行ってなかったが恒例になっていたのだろうか。
「レッツエンジョイ、スターマリーショー!」というアナウンスと共に幕が開いた。スモークの中には既にメンバー五人が立っているようである。
 一気に明るい照明が灯り、一曲目は「ぐらんぱぐらんぱ」。衣装は「姫は乱気流☆御一行様」のときのジャケットの衣装のようである。可愛い。



f:id:tanadaimonster94:20190521222000j:image


 のんちゃんだけ赤い衣装であることに確かに違和感みたいなものを感じるが、今日の生誕祭においてはその違和感はプラスに働いているようである。にしても開幕一発目で明るい曲を持ってくると今日の衣装も相まって普通のアイドルみたいである(普通のアイドルです)。
 大盛り上がりの中一曲目が終わり、拍手が巻き起こると、立て続けに二曲目の「Fantasy world fou you」。明るいアップテンポの曲の連続に、マリスト諸氏のコールにも熱が籠もる。後方スタンド席に場所を取るマリストの声量がハンパない。
 もにゃちゃんのソロの時にフロンプターに片足をかけて歌っていたのが衣装も相まってめちゃくちゃカッコよかったのが印象的だった。
 二曲目が終わると照明が落ち、BGMがかかる。メンバーはステージ外にはけたようだ。
 数秒の後メンバーが再び現れ、緑と青の照明が灯る。披露された曲は「君は死が与えられ、僕は生きろと命じられた」。メンバーはダンスせず横一列になって歌うパターンの曲。のんちゃんもそうだが全員パワフルな歌声である。ダンスが無いことでより一層歌のうまさが際立つ。
 そして立て続けに四曲目は「キミとヒトリ月夜に歌う」。青い照明にステージが包まれ、滔々と、そして徐々に感傷的に歌い上げる。照明も相まってとても幻想的な一曲だった。
 五曲目は打って変わってアップテンポの「Hey,my,sister」。スタマリらしいギャップを見せ曲を終えると、途端にポップなBGMに切り替わった。のんちゃんが「みんな今日は来てくれてありがとー!」と叫ぶと、そのまま六曲目の「プリンセスとコメディアン」へ。前奏での熱いMIXが後方より聞こえてくる。STARMARIEはコール、MIXがOKな曲が決まっている為、ここぞとばかりにマリストは全力で叫んでいるらしい。
 「プリコメ」が終わったところでのんちゃんだけがステージ脇にはけ、すぐステージに戻ってくると、
 「なんか機材トラブルだってー!」
 まさかの機材トラブルで次の曲がかからないという事態。回復するまで想定外のMCをすることに。その中で本日の衣装のことについて触れていた。本日の衣装は実に三年ぶりにステージで披露された衣装らしい。やはりこういう特別な場でない限り自分だけ赤色なのは嫌らしい。その昔ライブ前にこの衣装で出るのが嫌でゴネたというエピソードも。個人的に良い衣装だと思ったのでできればこれからも定期的に着てほしいものだが。


 機材トラブルが回復し、七曲目は「恋するボーカロイド」。この辺で気づいたが、本日は明るい曲が多めのようである。のんちゃんセレクトなのだろうか。
 八曲目は「余命120日のシンデレラ」。ポップな曲調にのる切ない歌詞がいい。ラスサビ前ののんちゃんのソロパートの時、青い照明が灯ってとても幻想的だったのが印象的だった。
 そしてもう一度メンバーがはけ、しばらく後現れると、五人が中心を向いて円を描くように並んだ。青い照明が灯り幻想的な音楽。かえちゃんのソロから始まる九曲目は「ヘブンズウエディング」。ああ。いい曲。語彙力を失うレベル。超エモい。個人的に生で聴きたいと思っていながらなかなか聴く機会がなかった曲なので嬉しかった。
 余韻を残しながら曲を終え、メンバーが一礼すると、ステージ、客席全てを一気に照らすほどの照明が灯る。五人が横一列に並ぶと、十曲目は「ドントルッキンフォーミー」。ライブで何度も披露されている曲であるが、聴く度にパワーが増している曲であるように思う。いい曲。
 十一曲目は「悪魔、はじめます」。ここにきてこの選曲はちょっと驚いた。ここまでダークな曲を抑えて比較的明るい曲で手堅くまとめていた感があったがここでダーク曲がくるとは。これもまたギャップか。個人的にラスサビで五人全員一斉にジャンプするとこ好き。


 曲が終わるとギターの重低音。十二曲目は「ママは天才ギタリスト」。ライブ終盤でやれば必ず盛り上がるキラーチューンである。のんちゃんが「今日はきてくれてありがとー!」と叫ぶと客席は本日MAXの盛り上がり。間奏で折りたたみをする時、もにゃちゃんだけかなりガチでやってるのが印象的。曲間に「L!O!V!E!ラブリーのんちゃん!」とコールしていたのは本日限定仕様らしい。
 曲が終わり、のんちゃんが「今日はありがとー!」と叫ぶとメンバー五人はステージ脇へと去っていった。
 ここでいつもならばアンコールがあがるところだが、本日は「のーんーちゃん!」のコール。だからなのかは分からないが少し長めの時間を置いてメンバー再登場。一気に照明が灯り、和風っぽい演奏のこの曲は「姫は乱気流☆御一行様」。この衣装にピッタリの曲である。間奏でしのはむが「のんちゃん誕生日おめでとー!」と言っていたのが印象的だった。この曲でもラスサビ前ののんちゃんソロパートがいい。
 曲が終わるとステージ上にはのんちゃんとしのちゃんの二人が。やっぱりこの衣装だから「姫は乱気流〜」はやらないといけないかなって、と話しているところにひいちゃんもにゃちゃんかえちゃんの3人が「ハッピーバースデートゥーユー」を歌いながら登場。大きなホールケーキと、プレゼントだろうか、小さな箱を持っている。しのちゃんが持っていた袋から花冠をだしてのんちゃんに被せた。よく見るとひいちゃんはスマホで撮影しているようである。突然のサプライズにひとしきり喜んだ後に小さな箱を開けると中から写真が飛び出した。仕掛け絵本のような作りになっているらしい。その他にものんちゃん動物園と題したアルバムなど盛りだくさんの内容である。のんちゃんはその一つ一つにありがとうと何度もお礼を言っていた。
 その後、告知があった。来る七月に昨年好評を博した「うどんを愛して」をもう一度パワーアップして再演するそうだ。吉本の芸人の出演も決まっているらしく、今から期待が高まる。
 そして締めの最後の一曲……はなんと決まっていないそうである。マジか。ここはやはり今日の主役たるのんちゃんのやりたい曲、ということで決まったのは「プリンセスとコメディアン」。好きな曲らしい。曲が終わるとのんちゃんだけが一人ステージに残り、客席全体に手を振るようにステージを練り歩いた。最後にマイクを通さずありがとー!と叫んでステージ脇にはけると、本日のライブは本当に終了となった。


まとめ
 
 のんちゃん誕生日おめでとー!!!最高!!!終わり!!!!

5/12渋谷ロフトヘブンSTARMARIEアコースティックコンサート「FantasyVoice 5」に参加してきた

  5/12、渋谷ダンジョンを迷いながらも辿り着いたるは渋谷ロフトヘブン。本日18:00より行われるSTARMARIEのアコースティックコンサート、「FantasyVoice 5」に参加する為である。


f:id:tanadaimonster94:20190517005910j:image

 

「5」とあるのはこのアコースティックコンサートが通算五回目であることを意味するらしいが、僕個人としてはアコースティック形式のSTARMARIEを見るのは初めてである。普段激しいダンスパフォーマンスを売りとしている彼女らがどんなステージを披露してくれるのか楽しみなところだ。


 会場となる渋谷ロフトヘブンは比較的狭い空間ながら配置や照明等、実に凝った作りをしたライブハウスである。ステージは柔らかな青い照明に照らされ、幻想的な雰囲気である。
 
 開場は予定よりも若干遅れた18:10頃となった。ピアノ、ベース、パーカッション、ギターの奏者がそれぞれ現れ、その次にスタマリメンバーの五人。Rise to stardamの時の紅白の衣装である。


 
f:id:tanadaimonster94:20190517005930j:image


 そして五人が椅子に座り、始まったのは「Hey,my,sister」。久しぶりに聞いた曲だが、ところどころハモリパートが追加されているようである。これは個人的な主観だが、ダンスをせず歌だけに集中することによって、スタマリメンバーはより感情をこめて歌えているような気もする。そしてその歌唱を支えるバンドメンバーの演奏も見事である。原曲の持つスピード感や激しい部分が削ぎ落とされ、柔らかく、優しい、まるで別の曲になったかのようなアレンジである。


 一曲目が終わって場内から拍手が巻き起こると、次に始まったのはピアノソロ。「まぶしくて」という歌いだしから始まるこの曲はスタマリ一明るい曲といっても過言ではない「ナツニナレ」。原曲はタイトル通りのイケイケアゲアゲな夏にピッタリのキラーチューンだが、ピアノを主旋律にBPM遅めで紡がれるこちらのバージョンは季節を半周ほど経た冬か秋を彷彿とさせる曲のようである。それでも歌詞はギラギラに暑いこれから来る夏を歌っているのだからそのギャップが面白い。


 二曲を立て続けに披露したところでMCタイム。真ん中に座るのんちゃんこと木下望が「スターマリーのアコースティックライブへようこそ」と言うと、立て続けにしのはむこと高森紫乃が水をこぼすというハプニング。どうやら水分補給用に置いておいたペットボトルの水を一曲目の辺りで倒していたようである。のんちゃんがそれを指差し、「あ!漏らした!」と言っていたのはアイドルのコンプライアンスギリギリのような気がする。


 その後軽くトークした後、中根もにゃちゃんの曲フリで始まったのは「涙のパン工場コンセル・カマタ」。こちらもややBPM遅めのアレンジのようである。サビのハモリのところがとにかく美しかったのが印象に残っている。


 そして四曲目は「君は死が与えられ僕は生きろと命じられた」。先程とは打って変わって激しめの曲である。原曲の持つスピード感を残したままのアコースティックアレンジにその切ない歌詞に重みが増す。この後のMCでメンバーも触れていたがかなり格好いいアレンジである。


 そしてMCタイム。普段のライブではほとんどMCをしない彼女達だがこのアコースティック形式のライブでは二曲ごとにMCを挟んでいくようである。
 ここでは今回のアコースティックライブを支えるバックバンドのメンバー紹介を行った。今回のメンバーはスタマリのライブ演奏なども担当した以下の五人である。()内はスタマリメンバーが彼らを呼ぶ時の呼称。


Per 土方"ジーザス"幸徳(ジーザス)
Ba.タカバタケ俊(しゅんしゅん)
key.平田優奈(ゆにゃ)
Gt.須賀勇介(がっちゃん)


 五回目となるアコースティックライブにおいて最早不動の布陣となったバックバンドメンバーだが、ギターのがっちゃん曰く、「スタマリメンバーからのバックバンドいじりが強くなっている」そうである。
 それに対してもにゃちゃんが「いじりは強いけどそれは愛です。では聞いてください。次の曲はホシノテレカ」
 と始まった六曲目は「ホシノテレカ」。こちらも二曲目のナツニナレと似たようなピアノ主体のしっとりバラードアレンジ。ナツニナレと違い、歌詞と曲調のベクトルが合っている分味わい深いアレンジである。この曲もかなりハモリが追加されたりと歌唱の面のアレンジも目立った曲だった。

 七曲目は「ドントルッキンフォーミー」。好き。エモい。歌詞のストーリーもさることながらメロディーがとても綺麗な曲である。個人的にラスサビ前のパートで、両端に座るひいちゃんこと松崎博香とかえちゃんこと渡辺楓が向かい合ってハモるところが聴く度見る度鳥肌が立つくらい好きである。


 その後のMCでは今後のアコースティックライブでやりたいこと、やりたい曲などをトーク。その流れで、次の曲がアコースティック初披露の曲であることを明かすと、始まったのは「ぐらんぱぐらんぱ」。またまたBPM遅めのしっとりアレンジ。MCでも触れていたが、ファンからのアコースティック化の要望が多かった曲だそうである。もしアコースティックアレンジしてもらいたい曲がある方は積極的に言って欲しいとのこと。
 そして次の曲はピアノの重低音。からのパーカッションのジーザスの「オレ!」の一言で始まったのは「サーカスを殺したのは誰だ」。ステージが赤い照明に包まれる。この曲はボサノバというか、ラテン系音楽風のアレンジである。原曲のダーク一点に突き抜けた曲調を少しだけ残しつつもノリのいい曲に仕上がっている。客席からは自然と曲に合わせて手拍子が。今日イチで盛り上がった曲だった。


 次のMCは告知タイム。近頃スタマリメンバーがツイッター上にてレコーディングをほのめかすツイートを度々していたがようやっとその詳細が明かされるらしい。
 本日明らかになったその内容とは、6月8日にスタマリの泣ける楽曲集と題したセルフカバーアルバムをリリースするというものだった。そして更にそのアルバムをひっさげ、全国のショッピングモールを回るフリーライブツアーも行われるとのこと。詳細はツイッター、ホームページ等をチェック。
 
 そして次の曲はアンコール前ラスト。先程明かされた、泣ける楽曲集にも恐らく入るであろうスタマリ屈指の泣き曲、「屋上から見える銀河、君も見た景色」。スタマリの真骨頂ともいえる生と死をがっつり描くこの曲は、個人的にこのロフトヘブンというハコにとても合う曲だと思う。ここのステージの上には薄い布が幾重にも連なって吊るされており、それが空調の関係か、風が当たって常時揺れているのである。これは雲を表しており、そしてそれはロフト”ヘブン”、つまり天国を表わしているのである。そんなステージでもってアコースティックの音で聞く「屋上から見える銀河、君も見た景色」。幻想的な光景に感動すら覚えてしまった。そしてそのまま余韻を残しつつ盛大な拍手に包まれライブ終了。というわけでもなく鳴り止まぬ拍手からのメンバー再登場。
 ここで本日のライブを支えたバンドメンバーを再び紹介。普通ならもう一曲か二曲披露して終わりなのだが、演奏する曲を決めていないらしい。今日やった曲の中でどれか一つ演奏するらしく、客席になにがいい?などと聞くがなかなか決まらない。
 とここでのんちゃんが「じゃあ今日誕生日の人いる?その人に決めてもらお」と言ったところ、そんな偶然あるわけないだろうという空気感の中なんと一人おずおずと手を挙げる人の姿が。マジでいた。メンバーも客席もびっくり。驚きそのままにその場の全員で「ハッピーバースデートゥーユー」を合唱。そしてそんな彼のリクエストでアンコールは「ぐらんぱぐらんぱ」。今日初披露の曲をもう一度演奏するかたちとなった。
 曲が終わり割れんばかりの拍手の中、今度こそ本当に今日のライブは終了となった。

 


まとめ


 元々慣れ親しんだ曲でも、例えば違う人が歌ったり、キーを変えてみたり、CDで聞いたり生で聞いたり。歌というものは別の角度からアプローチすることによって全く別ものになったりするから面白い。今回のアコースティックライブでそれを痛感した。スターマリーは激しいダンスと切ない歌のセットがデフォルトではあるが、ダンスの要素を取っ払い、アコースティックという要素を追加することによってデフォルトのスターマリーとはまた違う輝きを再発見することができた。
 しかし、そうやって輝くことができるのはやはり根底にある楽曲のよさがあるからなのだと思う。そんなスタマリの楽曲を集めたニューアルバムの発売も待ち遠しい。
 ちなみに筆者はこのライブの後すぐ渋谷駅にダッシュして東京駅まで向かい、山形行きの最終の新幹線にギリギリ間に合った。全国ツアーで近場に来てくれることが待ち遠しいと思いつつ筆を置く。

鬱を抱える現代人は全員ドルオタになればいいと思う

 現代日本はストレス社会である。生きていれば基本的に辛いことしかないし、たまにいいことがあったとしてもそれを上回るだけの辛いことがあったりする。
 ならば、と”いいこと”を探す努力をしているうちはまだいいが、辛さに潰され、それすらもできなくなってしまう人というのもままいいる。
 三万人。そうやって追い込まれるうちに自ら命を絶った日本人の数である。累計ではなく年間でだ。これだけの数のものたちが”いいこと”を探す気力を失い、辛さと絶望の果てに亡くなっていったのかと思うといたたまれない気持ちになってしまう。


 そういう奴は全員アイドルオタクになればいいと思う。


 いや、冗談でなく。マジで。
 もし仮に読者諸兄が生きることに対して疲れ果てていたとして、そんな時にひょんなことから一つのアイドルグループを好きになったとしよう。アイドルといえばライブだ。どのアイドルもとは言わないが、大体のグループは一、二ヶ月後先くらいまでのライブの予定を明示しているものである。
 より前方の、いいチケットを取る為にはチケットが発売されたその瞬間、一月前くらいにはチケットを確保しなければならないのである。「e+」、あるいは「ぴあ」でチケット争奪戦を勝ち抜き、支払いを済ませて……、するとどうだろう。あれだけ死にたいとか思っていたのに、これで一月は死ぬことができなくなっただろう。所謂あの電柱までは走ろう作戦である。電柱に辿り着いたならまた次の電柱を目指して走ればいいのである。
 アイドルの恩恵はまだある。2つ目はライブという空間そのものである。アイドルのライブというのは他ジャンルのアーティスト等とは違い、曲に合わせてのコール、また身振り手振りが多いのが特徴である。
 これが鬱に効くのである。コールで声を思い切り出し、ダンスに合わせて手振りすることで体を思い切り動かす。この二つの行為はストレス解消に大いに役立つ。普段黙々とデスクワークしかしない現代人にとってこの二つの動きはとても重要なのかもしれない。ごめん。専門分野でないから医学的にみてどうこうとかは正直分からない。
 3つ目が一番重要である。皆さんお気づきかと思うが、ここまでなら正直アイドルに限らず好きなアーティストのライブに行くだけで事足りる。コールとか手振りみたいなのは大体どこもやってるし。てかドルオタとかキモ。とか思っていることだろう。
 僕が鬱に対してアイドルが一番いいと思う由縁は所謂特典会、すなわち直接接触できる機会があるからである。ライブが終わった後、大体千円くらい払えば、約二、三十秒くらいだろうか。あのステージでキラキラと輝いていたアイドル達と直接話す機会を設けることができる。アイドル個人のポテンシャル、あるいはそのグループの規模にもよるが、中堅クラスくらいのアイドルの特典会だと、数回通うことで顔と名前を覚えられたりする。そんで「あ、この前も来てくれた○○さんだ〜ありがと〜大好き〜♪」なんて言われちゃった日には嬉しくてデュフフとか言いながら舞い上がっちゃったりするのだ。


 気持ち悪い、と読者は思っただろう。僕もそう思う。でも、それで生きているならば、とも思う。


 人が死にたくなっちゃう理由は、つまるところ「愛」が足りないせいではないのか、と僕は考えている。逆に言えばどれだけ逆境に立たされても、どれだけ絶望の淵に立たされても、そのちっぽけな感情一つあれば意外と生きていけたりするもんなのだ。それは例えその感情が嘘や虚構でも、である。
 現代社会はストレス社会であると同時に孤独社会でもある。見えない沢山の「誰か」の手によって成り立っている普段の生活において、人と繋がり、「愛」を感じることのできる機会は極端に減ってしまった。アイドルは、そんな現代社会において、CDと一緒に「愛」という感情を売る一つのビジネスモデルなのである。そこまで見通していたのかは分からないが考えた秋元康はやっぱり天才なんだなぁなどと思いつつ筆を置かせてもらう。


 ちなみにこの記事におけるNGワードは「恋人」「友人」「家族」である。
 

青春モンモン野郎は全員筋肉少女帯の「飼い犬が手を噛むので」を聞け

 我々の生きるこの現代日本社会は、物も人も、何もかもを規格化したがる。スーパーに並ぶきゅうりはまっすぐな方が高く売れるし、建物は耐震基準以内でなければならないし、人は同じ思想を持っている方が扱いやすい。
 いやちょっと待てよ、と。オレはそうはならないぞ。こんなクソみたいな世の中に染まってたまるかよ。オレはあいつらのような下らない人間とは違うんだぞ、と。そういって何かを始めようとする奴は、そこそこいる。
 では、そういって世間から、社会の輪からなんとか外れようともがく若者たちが全てうまくいくのかというと、これがどっこいそうはいかない。
 例えばロック歌手になろうとする若者が世の中に五千人いるとする。その全てがアーティストとして成功し、そこそこ収入を得ることができるというのなら、邦ロックシーンはえらいこっちゃである。
 恐らくその五千人の中でメジャーデビューできるのは十人といったところだろう。それも長く続けられるのは一人か二人か。そんなところに違いない。
 そして夢破れた4990人の若者たちは社会に染まることを嫌い、かといって特別な存在になることすら叶わない。何者にもなれない彼らは、自分があの時見下した普通の人間以下の存在であることに気づいたのだ。

 


 筋肉少女帯のキ○ガイ名盤として名高い「レティクル座妄想」を通して聞いたのは高一くらいの時だったか。
 当時遅すぎる中二病が花開いていた僕は(そのクセ知識や常識は並の高校生だったので尚厄介だった)、「学校も社会もみーんなクソ!大人になる前に死んでやるー!」とか考えながら人生や世の中そのものを舐め腐っていた。
 アルバム前半、というより最終曲以外の曲は思春期における中二病の妄想や思想をそのまま体言したかのような、陰惨で、ドロドロしていて、そしてどこか美しい世界観の曲が並ぶ。中二病高一の僕も共感した。感動した。やはりオーケンは”分かって”いるのだ、と。


 
 そして「飼い犬が手を噛むので」。曲の前半は猟奇的な内容になっている。世の中に必要のない人間は我々頭のいいものたちで狩ってしまえ。何いってんだコイツと思うかもしれないが、アルバム通しで聴くと、そうだそうだ、と思ってしまうものである。しかし二番が終わったところでオーケンの台詞が入る。


 

ただし!
狩りに行く前に
自分は頭がいいという証拠を提示してください
君たちがまわりのくだらない人たちとは
自分はちがうというのならば
その証拠を見せてください
 

証拠なき者は犬人間とみなし
狩られる側にまわってもらいます
君たちがくだらないかそうでないかを決める
素敵な審査員のみなさんを御紹介します
(以下歴史上の偉人が挙げ連ねられる)


 あの時僕には自分には何かしら特別な能力があって、それはきっと自分が大人になってしまう前に現れるはずだ。そうでなければ自分は死ぬ、などということを割と本気で考えていた。
 しかし実際にはそんなことなくて、自分に特別だという証拠はどこにもなかったし、勿論周りの人間がバカだという証拠もなかったし、20歳になっても当たり前みたいに人生は続いていたし、そして中二病フィルターを通さずに見た世界は、社会は、ありえないほどに大きかった。


 それに比べて自分の小ささたるや!!


 大人になるということはきっと、良くも悪くも世の中に対しての自分の大きさを自覚することなのだと思う。その気付きの一歩を、大人への一歩を踏み出せたのは間違いなくこの曲のお陰だ。できるならば僕のように青春をモンモンと過ごす奴にこの曲が届いてくれればいいと願う。